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2024/11/17
住まい

戸建は新築と中古どっちがいい?
それぞれのメリット・デメリットを紹介

ほとんどの方にとって、家は人生で一番高価な買い物です。マイホームの購入を検討中の方の中には、新築にするか中古住宅にするか悩んでいる方もいるのではないでしょうか。

新築と中古の大きな違いは、物件の新しさや費用などが挙げられますが、住宅に求める条件は人それぞれ異なるため、どっちがいいと言い切ることはできません。

そこで本記事では、新築と中古それぞれのメリット・デメリットを解説します。どっちが自分に合うか判断するための参考にしてください。

戸建は新築と中古どっちがいい?<br />
それぞれのメリット・デメリットを紹介

■新築住宅のメリット

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新築住宅とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて、建築工事の完了日から1年以内で、まだ誰も住んだことがない物件と定義されています。例え入居者がいなくても、建築後1年を経過していれば新築住宅とは呼ばずに、「未入居物件」と表記されます。

まずは、新築住宅のメリットを解説します。

※出典:「住宅の品質確保の促進等に関する法律」

https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000016.html を参考に筆者作成。

 

【すべてが新品】

新築住宅は、建物や内装、設備もすべてが新しいことが魅力です。誰も住んだことがない家は傷や汚れが見当たらないため、高い満足度を得られるでしょう。これは、中古住宅にはない新築ならではのメリットです。

新築住宅は、すべてが新品であるため、欠陥の心配は少ないです。万が一初期不良があった場合のために、保証やアフターサービスがついているので安心です。

 

【最新の設備が備わっている】

住宅の性能は進化を続けているため、新築住宅には最新の構造や設備が採用されています。古い住宅に比べて、断熱性や気密性、耐震性に優れているため、快適に生活できるでしょう。外気の影響を受けにくいため、光熱費の節約にもつながります。また、キッチンやトイレ、お風呂などの住宅設備も最新の設備が備わっているため、生活の質を上げられます。家事の時短や家族の快適な暮らしにつながるでしょう。

 

【保証が中古住宅より手厚い】

新築住宅には、法的に定められた「住宅瑕疵担保責任保証」があります。具体的には、「構造耐力上主要な部分」や「雨水の侵入を防止する部分」について、10年間の住宅瑕疵担保責任保証が義務付けられているのです。

住宅の構造耐力上主要な部分とは、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材などが含まれます。例えば、新築から10年以内に柱の不具合や雨漏りなどが生じた場合には、施工店に修理費用を支払ってもらえます。

設備など住宅の基礎構造以外の部分については、10年間の住宅瑕疵担保責任保証の対象外です。しかし、建築会社が独自に保証を設定している場合もあります。

新築住宅のメリットの一つは、中古住宅より手厚い保証がついている点です。

 

【最新の耐震基準で安全性が高い】

日本は地震が多い国のため、安心して暮らすには耐震性を重視する必要があります。新築住宅は、最新の耐震基準で建築されるため、安全性が高く、魅力です。また、耐震基準だけでなく建築材の耐震性も向上しているため、新築住宅は築年数の古い住宅に比べて地震に対する強度が高く、安心して暮らせます

 

【理想の間取りを設計できる】

注文住宅の場合、ライフスタイルに合った理想の間取りを実現できるメリットがあります。間取りや設備の自由度が高いため、理想の暮らしがかなえられます。マイホームの購入は人生で最も大きな買い物になる場合が多いため、理想の間取りにこだわりたい方は、新築の注文住宅を選択するのがよいでしょう。

 

【税制上のメリットを受けられる】

新築住宅は、税制上のメリットを受けられることも魅力の一つです。多くの方が住宅ローンを利用しますが、省エネ基準に適合する新築住宅の場合は、年末時の住宅ローン残高の0.7%分が所得税から控除されます。控除期間は13年です。

控除の上限は住宅性能などによって異なりますが、1年あたり最大で31.5万円です。なお、子育て世帯や若者夫婦世帯の場合は、最大35万円が控除されます。

※子育て世帯・若者夫婦世帯とは、「19歳未満の子を持つ世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」です。

 

一方、中古住宅の場合も、年末のローン残高の0.7%が所得税から控除されますが、控除額は最大で年21万円、控除期間は10年間と、新築住宅より短くなります。また、新築住宅は固定資産税の減額措置があります。新築住宅は3年間、固定資産税が2分の1に減額されるのです。認定長期優良住宅については、減額措置が5年間に延長される特例があります。

※【参考】国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」「No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)

国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置


■新築住宅のデメリット

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新築住宅には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。主なデメリットを確認しておきましょう。

 

【中古住宅に比べて価格が高い】

新築住宅の一番のデメリットは、中古住宅に比べて価格が高いことです。住宅性能が優れていたり、最新の設備が導入されていたりするだけでなく、広告費やモデルルームの設営費などが上乗せされることも価格が高い理由です。

 

【入居後の暮らしが分かりにくい】

新築住宅を購入する場合、建物が完成する前に契約することが少なくありません。契約前に外観や内装、日当たりなどを確認できないため、入居後の暮らしが分かりにくいことがデメリットといえます。

 

【希望するエリアに住めない可能性がある】

人気エリアや駅近など利便性の高い場所は、すでに多くの建物が建てられています。新しく家を建築する土地が少ないため、新築では希望するエリアに住めない可能性があります。


■中古住宅のメリット

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中古住宅は、新築住宅に比べて価格が安いことが大きなメリットです。中古住宅の主なメリットを解説します。

 

【新築住宅よりも価格が安い】

中古住宅は、同条件の新築住宅よりも安く購入できます。なるべく安く住宅を購入したい方には、大きなメリットになるでしょう。

 

【すぐに入居できる】

中古住宅は、売主が退去したら引渡してもらえるため、契約から入居までにかかる期間が短いです。新築住宅の場合、建築中に契約したり、工事請負契約を締結してから工事に着工したりするため、入居までにはしばらく時間がかかります。中古住宅は、すぐに入居できることがメリットです。

 

【購入前に近隣環境を確認できる】

中古住宅は、購入前に近隣住民の雰囲気や騒音などを確認できます。事前にどのような人が住んでいるか確認できるため、入居後のトラブルを回避しやすいでしょう。

 

【リノベーションして理想の住まいを実現できる】

中古住宅は、リノベーションすることによって古さを感じさせない理想の住まいを実現できます。間取りの変更ができる場合もあるため、建売住宅より自由度が高いことが魅力です。

ただし、構造によっては希望のリノベーションができない場合もあるため、事前に専門業者に調査を依頼し、アドバイスをもらうようにした方がよいでしょう。


■中古住宅のデメリット

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中古住宅は、新築に比べて価格が安いことがメリットですが、リフォームの費用や維持費がかかることなどデメリットもあります。購入時には注意が必要なので、確認しておきましょう。

 

【維持費がかかる】

新築住宅の場合、修繕が必要になる時期は築10年以降が一般的です。一方、中古住宅は設備や建物が新品ではないため、新築に比べると劣化が早く、入居して数年で外壁や屋根などの大規模な修繕費用が必要になる場合があります。住宅の購入費用が安くても、すぐに修繕費が必要になる可能性があるため、資金計画に入れておく必要があります。また、中古住宅は、構造部など見えない部分が劣化しているケースが少なくありません。費用はかかりますが、安心して購入するためにはホームインスペクション(建物状況調査)を依頼して、建築の専門家に調査してもらうのがよいでしょう。

 

【リフォーム費用がかかる】

築年数が古い物件は、キッチンやトイレなどの設備やクロスが劣化していることがあるため、リフォーム費用がかかります。大規模なリフォームが必要になると、費用が高額になる可能性があります。入居してから、事前に想定していなかった部分のリフォームが必要になる可能性もあるため、余裕を持った資金計画が必要です。

 

【住宅ローンの審査が通りにくい可能性がある】

住宅ローンを組む場合は物件に抵当権を設定するため、担保価値も審査の対象になります。築年数が古い場合は担保としての価値が下がるため、中古住宅は住宅ローンの審査が通りにくい可能性があります。

 

【新築に比べて保証が少ない】

中古住宅の場合、新築住宅に比べて保証が少ないデメリットがあります。不動産会社が売主の場合は、引渡しの日から2年以上の契約不適合責任(瑕疵担保責任)を負います(宅地建物取引業第40条)。個人が売主の場合は、引渡しから3ヵ月程度の瑕疵保証が一般的です(民法第566条)。

新築住宅に比べると、保証期間がかなり短いことに注意しておきましょう。

※出典:民法第566条e-Govポータル(https://www.e-gov.go.jp

宅地建物取引業第40条https://laws.e-gov.go.jp/law/327AC1000000176 を参考に筆者作成。


■まとめ

新築住宅は、最新の住宅性能や設備にこだわりたい方、価格が高くても快適な環境で暮らしたい方、耐久性の高さを重視したい方に向いています。一方、中古住宅は、できるだけ住宅の購入費用を抑えたい方、将来は売却を考えている方に向いているでしょう。

マイホームの購入で重視したい点は人によって異なります。新築住宅と中古住宅にはそれぞれメリット・デメリットがあります。その点を把握し、将来的な計画も含めて、どっちを選ぶか検討しましょう。