新築住宅とは、「住宅の品質確保の促進等に関する法律」に基づいて、建築工事の完了日から1年以内で、まだ誰も住んだことがない物件と定義されています。例え入居者がいなくても、建築後1年を経過していれば新築住宅とは呼ばずに、「未入居物件」と表記されます。
まずは、新築住宅のメリットを解説します。
※出典:「住宅の品質確保の促進等に関する法律」
https://www.mlit.go.jp/jutakukentiku/house/jutakukentiku_house_tk4_000016.html を参考に筆者作成。
【すべてが新品】
新築住宅は、建物や内装、設備もすべてが新しいことが魅力です。誰も住んだことがない家は傷や汚れが見当たらないため、高い満足度を得られるでしょう。これは、中古住宅にはない新築ならではのメリットです。
新築住宅は、すべてが新品であるため、欠陥の心配は少ないです。万が一初期不良があった場合のために、保証やアフターサービスがついているので安心です。
【最新の設備が備わっている】
住宅の性能は進化を続けているため、新築住宅には最新の構造や設備が採用されています。古い住宅に比べて、断熱性や気密性、耐震性に優れているため、快適に生活できるでしょう。外気の影響を受けにくいため、光熱費の節約にもつながります。また、キッチンやトイレ、お風呂などの住宅設備も最新の設備が備わっているため、生活の質を上げられます。家事の時短や家族の快適な暮らしにつながるでしょう。
【保証が中古住宅より手厚い】
新築住宅には、法的に定められた「住宅瑕疵担保責任保証」があります。具体的には、「構造耐力上主要な部分」や「雨水の侵入を防止する部分」について、10年間の住宅瑕疵担保責任保証が義務付けられているのです。
住宅の構造耐力上主要な部分とは、基礎、基礎ぐい、壁、柱、小屋組、土台、斜材、床版、屋根版、横架材などが含まれます。例えば、新築から10年以内に柱の不具合や雨漏りなどが生じた場合には、施工店に修理費用を支払ってもらえます。
設備など住宅の基礎構造以外の部分については、10年間の住宅瑕疵担保責任保証の対象外です。しかし、建築会社が独自に保証を設定している場合もあります。
新築住宅のメリットの一つは、中古住宅より手厚い保証がついている点です。
【最新の耐震基準で安全性が高い】
日本は地震が多い国のため、安心して暮らすには耐震性を重視する必要があります。新築住宅は、最新の耐震基準で建築されるため、安全性が高く、魅力です。また、耐震基準だけでなく建築材の耐震性も向上しているため、新築住宅は築年数の古い住宅に比べて地震に対する強度が高く、安心して暮らせます
【理想の間取りを設計できる】
注文住宅の場合、ライフスタイルに合った理想の間取りを実現できるメリットがあります。間取りや設備の自由度が高いため、理想の暮らしがかなえられます。マイホームの購入は人生で最も大きな買い物になる場合が多いため、理想の間取りにこだわりたい方は、新築の注文住宅を選択するのがよいでしょう。
【税制上のメリットを受けられる】
新築住宅は、税制上のメリットを受けられることも魅力の一つです。多くの方が住宅ローンを利用しますが、省エネ基準に適合する新築住宅の場合は、年末時の住宅ローン残高の0.7%分が所得税から控除されます。控除期間は13年です。
控除の上限は住宅性能などによって異なりますが、1年あたり最大で31.5万円です。なお、子育て世帯や若者夫婦世帯の場合は、最大35万円が控除されます。
※子育て世帯・若者夫婦世帯とは、「19歳未満の子を持つ世帯」または「夫婦のいずれかが40歳未満の世帯」です。
一方、中古住宅の場合も、年末のローン残高の0.7%が所得税から控除されますが、控除額は最大で年21万円、控除期間は10年間と、新築住宅より短くなります。また、新築住宅は固定資産税の減額措置があります。新築住宅は3年間、固定資産税が2分の1に減額されるのです。認定長期優良住宅については、減額措置が5年間に延長される特例があります。
※【参考】国税庁「No.1211-1 住宅の新築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合(住宅借入金等特別控除)」「No.1214 中古住宅を取得した場合(住宅借入金等特別控除)」
国土交通省「新築住宅に係る税額の減額措置」