外壁は、素材によって見た目が変わるだけでなく耐久性や性能、価格なども異なります。建物のデザインや重視したい性能に合わせて外壁素材を選びましょう。新築の外壁素材の主な種類とその特徴を解説します。
【サイディング】
サイディングとは、形成した板を外壁に貼り付ける工事のことです。サイディングには主に、窯業(ようぎょう)系、金属系、木質系、樹脂系の4種類があります。
●窯業系
窯業系サイディングは現在主流の外壁材で、主原料は繊維質とセメントです。デザインやカラーバリエーションが豊富で、タイル調や木目調など好みに合わせて選べます。耐火性や耐震性に優れていることや、コストを抑えられることがメリットです。
一方、水に弱いため、10年に一度程度は塗り直しが必要です。目地に充填するコーキング剤の打ち替えなども必要になります。ただし、最近は、メンテナンスの頻度が少なくてすむ高耐久塗料を塗装している商品などもあります。
●金属系
金属系サイディングは、材料に金属を使用した外壁材で、断熱性が高いことが特徴です。複数の種類がありますが、ガルバリウム鋼板(アルミ亜鉛合金めっき鋼板)がよく使用されます。ガルバリウム鋼板は軽量で建物に負担がかかりにくいため、耐震性が高く、金属系の中では錆びにくいことが特徴です。また、板を重ね合わせて施工するため、耐水性が高いメリットもあります。
一方、へこみや傷がつきやすいことがデメリットです。傷がつくと錆の原因になるため、家の近くに傷の原因になるものを置かないようにしましょう。
●木質系
木質系は木材を使用した外壁材で、表面に腐食や変色を防ぐ塗装を施します。ほかの素材に比べて耐火性が低いですが、最近は不燃処理を施したものも増えています。木質系は断熱性が高く、木材の温かみや木の風合いを感じられることが魅力です。
一方、水に弱い性質があるため、ほかの外壁材に比べて経年劣化の影響を受けやすく、メンテナンスを頻繁に行う必要があります。
●樹脂系
樹脂系は、主原料が塩化ビニル樹脂の外壁材です。日本ではあまり普及していませんが、北米の寒冷地などでよく使用されています。耐用年数が長いことや、塩害や凍害の影響を受けにくいことなどがメリットです。また、色がついているため上から塗装する必要がなく、塗り替えなどのメンテナンスはほとんど必要ありません。ただし、ほかの外壁材に比べて費用が高く、施工できる職人が少ないため、取り扱う業者が少ないことなどのデメリットがあります。
タイルは、土や石などの原料を高温で焼き固めて作ります。コストは高めですが高級感があり、耐久性が高くて変色や色あせも少ないです。吸水もほとんど発生しないため、メンテナンスがあまり必要ありません。ただし、下地のコーキング剤が劣化してタイルが浮いたり剥がれたりした場合は、メンテナンスが必要です。
【モルタル】
モルタルは、セメントと砂、水を混ぜた材料で外壁を塗って仕上げます。耐久性や耐火性が高く、デザインの自由度が高いことが魅力です。
一方、材料に水が含まれていることから乾燥によるひび割れが発生しやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。また、表面の凹凸に汚れがたまりやすいため、耐久性には問題なくても塗り替えが必要になることもあります。
【ALC】
ALCとは「Autoclaved lightweight aerated concrete」の略で、軽量気泡コンクリートの外壁材です。原料は、珪石・セメント・生石灰・発泡剤などです。通常のコンクリートより重量が軽いため、耐震性を重視する人に人気があります。また、気泡が空気の層を作るため断熱性に優れていることや、遮音性が高いことも魅力です。不燃材料であるため、耐火性も高いです。
一方、吸水性が高いため、防水塗料で定期的な塗り直しが必要になります。また、コーキングが劣化すると水が入り込むため、コーキングのメンテナンスも定期的に必要です。