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2024/12/09
住まい

新築における外壁素材の種類は?
色を選ぶときのポイントも解説

住宅の外壁は、素材も色もさまざまです。新築を建てるときに、どのような外壁にするか悩む方も多いのではないでしょうか。

そこで今回は、新築の外壁素材の種類やその特徴、人気の色などを解説します。色選びのポイントもご紹介するので、ぜひ参考にしてください。

新築における外壁素材の種類は?<br />
色を選ぶときのポイントも解説

■新築の外壁素材の主な種類

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外壁は、素材によって見た目が変わるだけでなく耐久性や性能、価格なども異なります。建物のデザインや重視したい性能に合わせて外壁素材を選びましょう。新築の外壁素材の主な種類とその特徴を解説します。

 

【サイディング】

サイディングとは、形成した板を外壁に貼り付ける工事のことです。サイディングには主に、窯業(ようぎょう)系、金属系、木質系、樹脂系の4種類があります。

 

●窯業系

窯業系サイディングは現在主流の外壁材で、主原料は繊維質とセメントです。デザインやカラーバリエーションが豊富で、タイル調や木目調など好みに合わせて選べます。耐火性や耐震性に優れていることや、コストを抑えられることがメリットです。

一方、水に弱いため、10年に一度程度は塗り直しが必要です。目地に充填するコーキング剤の打ち替えなども必要になります。ただし、最近は、メンテナンスの頻度が少なくてすむ高耐久塗料を塗装している商品などもあります。

●金属系

金属系サイディングは、材料に金属を使用した外壁材で、断熱性が高いことが特徴です。複数の種類がありますが、ガルバリウム鋼板(アルミ亜鉛合金めっき鋼板)がよく使用されます。ガルバリウム鋼板は軽量で建物に負担がかかりにくいため、耐震性が高く、金属系の中では錆びにくいことが特徴です。また、板を重ね合わせて施工するため、耐水性が高いメリットもあります。

一方、へこみや傷がつきやすいことがデメリットです。傷がつくと錆の原因になるため、家の近くに傷の原因になるものを置かないようにしましょう。

●木質系

木質系は木材を使用した外壁材で、表面に腐食や変色を防ぐ塗装を施します。ほかの素材に比べて耐火性が低いですが、最近は不燃処理を施したものも増えています。木質系は断熱性が高く、木材の温かみや木の風合いを感じられることが魅力です。

一方、水に弱い性質があるため、ほかの外壁材に比べて経年劣化の影響を受けやすく、メンテナンスを頻繁に行う必要があります。

●樹脂系

樹脂系は、主原料が塩化ビニル樹脂の外壁材です。日本ではあまり普及していませんが、北米の寒冷地などでよく使用されています。耐用年数が長いことや、塩害や凍害の影響を受けにくいことなどがメリットです。また、色がついているため上から塗装する必要がなく、塗り替えなどのメンテナンスはほとんど必要ありません。ただし、ほかの外壁材に比べて費用が高く、施工できる職人が少ないため、取り扱う業者が少ないことなどのデメリットがあります。

タイルは、土や石などの原料を高温で焼き固めて作ります。コストは高めですが高級感があり、耐久性が高くて変色や色あせも少ないです。吸水もほとんど発生しないため、メンテナンスがあまり必要ありません。ただし、下地のコーキング剤が劣化してタイルが浮いたり剥がれたりした場合は、メンテナンスが必要です。

 

【モルタル】

モルタルは、セメントと砂、水を混ぜた材料で外壁を塗って仕上げます。耐久性や耐火性が高く、デザインの自由度が高いことが魅力です。

一方、材料に水が含まれていることから乾燥によるひび割れが発生しやすいため、定期的なメンテナンスが必要です。また、表面の凹凸に汚れがたまりやすいため、耐久性には問題なくても塗り替えが必要になることもあります。

 

【ALC】

ALCとは「Autoclaved lightweight aerated concrete」の略で、軽量気泡コンクリートの外壁材です。原料は、珪石・セメント・生石灰・発泡剤などです。通常のコンクリートより重量が軽いため、耐震性を重視する人に人気があります。また、気泡が空気の層を作るため断熱性に優れていることや、遮音性が高いことも魅力です。不燃材料であるため、耐火性も高いです。

一方、吸水性が高いため、防水塗料で定期的な塗り直しが必要になります。また、コーキングが劣化すると水が入り込むため、コーキングのメンテナンスも定期的に必要です。


■外壁に人気の色6選

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近年、外壁に人気の色は、ベージュ・ホワイトなどのナチュラル系カラーや、ブラウン・ブラックなどのダーク系カラー、グレーなどです。また、個性的なブルー、グリーン、イエロー、ピンクなども人気があります。ここでは、外壁に人気の色をご紹介します。

 

<ベージュ>

ベージュは温かみがあり、落ち着いた雰囲気を醸し出すため、周囲の環境とも調和します。白より汚れが目立ちにくいことも人気が高い理由の一つです。ベージュにはさまざまな色味があるため、色番号を確認して発注すると失敗が少ないでしょう。

 

<ホワイト>

ホワイトは、清潔感があって家を明るく見せます。上品で周囲と調和しやすいため、人気がある色です。何色でも組み合わせやすいため、ホワイトをベースにツートンカラーにするのもよいでしょう。しかし、ホワイトはどうしても汚れが目立ちます。ホワイトだと汚れが目立つという理由で、アイボリーやオフホワイトを選ぶ方もいます。

 

<グレー>

近年人気が高いグレーの外壁は、モダンで洗練された印象を与えます。ライトグレーはスタイリッシュな印象、ダークグレーは重厚感をもたらします。汚れが目立ちにくいため、長く美しい外壁を保てることが人気の理由です。

 

<ブラウン>

ブラウンは温かみがあり、落ち着いた印象を与えられるため定番の人気色です。周囲の建物とも調和しやすいでしょう。また、汚れが比較的目立ちにくいことも人気の理由の一つです。

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<ブラック>

ブラックは重厚感や高級感があり、都会的な印象です。近年人気が高い色ですが、ホワイトと同じように汚れが目立つ点に注意が必要です。また、熱を吸収しやすいため、夏場は外壁が熱くなります。室内にも熱が伝わりやすいため、高性能の断熱材を使いましょう。

 

<ブルー>

ブルーは、原色に近い青から水色や紺色まで、さまざまな色味があります。これらの色は、いずれも爽やかな雰囲気を醸し出します。水色は明るい印象を与える一方で、紺色は高級感や落ち着きを感じさせます。原色は色あせしやすいですが、ブルーは光を反射しやすいため紫外線の影響を受けにくく、色あせしにくいカラーです。


■外壁の色を選ぶときのポイント

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外壁の色選びを間違えると満足できない外観になる可能性があるため、新築時の色選びは大切です。外壁の色を選ぶときのポイントをご紹介します。

 

◎色が目立ちすぎないか確認する

外壁の色を選ぶときは、周辺環境との調和が重要なポイントです。周りの家や建物の色を観察して、街並みに自然に溶け込む色を選びましょう。極端に目立つ色は周囲から浮いてしまい、地域の景観を損なうことになるため避けましょう。

 

◎汚れが目立たない色を選ぶ

外壁のきれいな外観をできるだけ長く保つには、汚れが目立ちにくい色を選ぶのがおすすめです。汚れの原因となる砂ぼこりや黄砂、カビなどは中間色が多いため、グレーやベージュ、クリーム色を選ぶことで、汚れが目立ちにくくなります。

一方、汚れが目立ちやすいのは白、黒、赤、黄などです。赤や黄は色あせや変色も起きやすいので注意が必要です。

 

◎配色のバランスに気を付ける

異なる色を組み合わせてツートンカラーにする場合は、配色のバランスを考えましょう。同系色の色を組み合わせると統一感が生まれます。また、2色とも濃い色を使用するとまとまりが悪くなるため、1色は淡い色を入れるのがおすすめです。色分けの割合は、メインカラーが全体の約7割を占めるとバランスがよくなります。

 

◎大きな色見本で選ぶ

色見本は、大きなものと小さなものでは違った色に見えることがあります。できるだけA4サイズの大きな色見本を用意してもらいましょう。また、室内と屋外でも色の印象が異なるため、屋外で太陽光に当てて色を確認すると、仕上がりに近い色をイメージできます。天気によっても色が異なって見えるため、晴天と曇りの両方で確認しておきましょう。


■まとめ

新築住宅の外壁素材にはさまざまな種類があるため、特徴やメリット・デメリット、費用を確認して決める必要があります。デザインや耐久性、性能など重視したい条件を考慮して、どの素材にするか選びましょう。

また、外壁の色選びは単に好みを選ぶだけではなく、汚れにくさや色あせしにくさを考慮することが大切です。これにより、外壁を長期間きれいに保つことができます。さらに、周囲の環境との調和も大切な要素です。個性的な色やデザインは、街並みの雰囲気にそぐわないこともあるため注意が必要です。周りの景観や環境とバランスがとれる色・デザインを選びましょう。