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2024/12/16
暮らし

「Wi-Fiが届かない」をなくす。
新築戸建てのポイントを
まとめて解説

スマホやパソコンが普及した現代では、自宅のWi-Fi環境の整備が欠かせないものとなっています。しかし、Wi-Fi環境を整えても、家の中にWi-Fiが届きにくい場所が発生することもあるものです。

そこで本記事では、家の中でWi-Fiが届かない理由や対処法について解説します。新築戸建てを建てる際、Wi-Fiのために考慮しておきたいポイントもご紹介します。

「Wi-Fiが届かない」をなくす。<br />
新築戸建てのポイントを<br />
まとめて解説

■家の中でWi-Fiが届かない・届きにくい理由

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リビングではWi-Fiが使えるのに、2Fの部屋には届きにくいといったケースがあります。家の中でWi-Fiが届きにくいのは、次のような理由が挙げられます。

 

<ルーターの設置場所が悪い>

Wi-Fiが届きにくいのは、ルーターの設置場所が適切でない可能性があります。以下のような場所は、ルーターの設置場所には適していません。

●部屋の隅

●床に直置き

●電子レンジなど電波を発する家電製品の近く

Wi-Fiの電波は360度に飛ぶため、部屋の隅に置くより中央に置いた方が、電波が届きやすくなります。広い家の場合は、部屋の端の方に置くと家の一部でWi-Fiが届きにくくなるため、できるだけ家の中央に近い場所に置くのがよいでしょう。また、ルーターを床に直置きすると部屋に電波が届きにくくなります。床置きは家具や家電の影響も受けやすいため、机やテーブル、棚の上など、床から1~2m程度高い場所への設置がおすすめです。また、電波を発生する家電の近くに置くと電波干渉が起こるため、電子レンジなどの近くに置くのは避けましょう。

 

<壁や建材の影響>

Wi-Fiが届きにくいのは、壁や建材が影響している可能性もあります。金属やコンクリートはWi-Fiの電波を減衰させるため、鉄筋コンクリート造の家では、Wi-Fiルーターから少し離れていると壁の影響で電波が届きにくくなる場合があります。

 

<ルーターの近くに障害物がある>

ルーターと部屋の間に大きな家具などの障害物があると、Wi-Fiが届きにくくなることがあります。ルーターの周りには、できるだけ物を置かないようにしましょう。


■快適なネット環境のために新築時の設計ポイント

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新築を建てるときは、家中どこでもWi-Fiが安定して届くように、設計の段階で相談しておきましょう。快適なネット環境のためのポイントをご紹介します。

 

【Wi-Fiルーターの設置場所】

Wi-Fiルーターをどこに設置するか、場所を決めておきましょう。家の中心あたりに設置すると、家全体に電波が届きやすくなります。3階建ての場合は2階に置くとよいでしょう。

新築で光回線に申し込むと、電話線の配管を利用して引き込み工事を行います。屋内の壁に光コンセントを設置し、ONUをつなぎます。ONUとは、光回線の信号を変換する装置です。ONUとWi-Fiルーターを接続すると、無線でインターネットを使えるようになります。新築であれば、あらかじめONUとWi-Fiルーターを接続するLANケーブルを壁内に通すこともできるため、Wi-Fiルーターの設置場所を決めておきましょう。

 

【有線LANの配線】

仕事やオンラインゲームなどでパソコンを使う場合、インターネットの安定性や速度が重要です。壁の中にLANケーブルを配線しておくと、インターネットを利用したい部屋で有線接続できます。より安定したインターネット環境を手に入れるためには、新築時に有線LANの配線も考えておくとよいでしょう。

Wi-Fiの届きやすさは、住宅構造によっても異なります。木造に比べると、鉄骨造や鉄筋コンクリート造は電波が届きにくく、鉄筋コンクリート造の中でも、構造の違いによってWi-Fiの届きやすさに差が出ます。ラーメン構造に比べて壁式構造は分厚くなるため電波が届きにくく、Wi-Fi接続が難しい可能性もあります。新築時に有線LANの配線を行って、Wi-Fiと併用できるようにしておいてはいかがでしょうか。

 

【コンセントの配置と数】

家中にWi-Fiを届きやすくするためには、コンセントの配置場所や数も重要なポイントです。光回線を引き込む場所や、ルーターの設置場所などにコンセントを配置しておきましょう。Wi-Fiの電波が家中に届きにくい場合は、中継器やメッシュWi-Fiを利用する可能性もあり、設置場所にはコンセントの配置が必要です。コンセントが足りないと後で困るため、多めに設置しておくと安心です。


■Wi-Fiが届かない場合の対処法

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すでに建てた家でWi-Fiの電波が届きにくい場合、次の対処法を試してみましょう。

 

◎ルーターを設置する場所を見直す

Wi-Fiが届きにくいのは、ルーターの設置場所が適切でないことが理由かもしれません。ルーターを設置する場所を見直しましょう。

●部屋や家の中央近くに設置する

●ルーターとの間に障害物がないか確認する

●床から1~2メートルの高さの場所に置く

ルーターからの距離が遠い部屋はWi-Fiが入りにくいため、できるだけ家の中央あたりにルーターを設置するとつながりやすくなります。また、大きな家具など障害物の影響を受けている可能性もあるため確認しましょう。床に直接置かずに1~2メートルの高さの場所に置くのも、つながりやすくなるためのポイントです。

 

◎周波数帯を変更する

多くのWi-Fiルーターの周波数には2.4GHzと5GHzが使われています。2.4GHzは床や壁など障害物の影響を受けにくく、遠くまで届きやすいことが特徴です。ただし、家電や電子機器も同じ周波数を使っているWi-Fiルーターが多いため、電波干渉が起きやすくなります。

一方、5GHzは2.4GHzに比べて高速通信が可能です。電波干渉が起きにくいですが、障害物の影響を受けやすいことが特徴です。このように2.4GHzと5GHzは特徴が異なるため、周波数帯を変更することによってつながりやすくなる場合があります。

 

◎中継器を設置する

Wi-Fiルーターと部屋が離れている場合、ルーターと部屋の中間地点に中継器を設置すると、Wi-Fiが届きやすくなる可能性があります。中継器とは、Wi-Fiの電波を受け取って中継する機器のことです。Wi-Fiルーターだけでは電波を届けられる範囲に限界があるうえに、障害物や家電が発する電波の影響も受けてしまいます。中継器を設置すればWi-Fiが届く範囲が広がるため、これまでWi-Fiが届きにくかった部屋でも利用できるようになります。ただし、中継器を経由すると通信速度がやや低下する場合があることに注意しておきましょう。

 

◎メッシュWi-Fiを利用する

メッシュWi-Fiは、これまでWi-Fiが届きにくかったところまで届くようにするものです。メインルーターに「サテライト」や「ノード」と呼ばれる機器を組み合わせて、網目(メッシュ)のようなネットワークを構成します。Wi-Fiの届く範囲を広げる点では中継器と似ていますが、仕組みが異なります。中継器は、ルーターの電波を中継する役割です。しかし、メッシュWi-Fiは、各ノードが互いに通信して広い家でも隅々までWi-Fiを届けることができます。デバイスを使用しながら家の中を移動しても、最も信号の強いアクセスポイントに自動で切り替わるため、安定した接続を保てます。


■その他の考えておきたいポイント

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Wi-Fiは、電波が家中に届くための対策以外にも考えておきたいポイントがあります。新築のWi-Fiは、次の2つについても考えておきましょう。

 

◎スマートホーム化を想定しておく

新築住宅では、スマートホーム家電を利用したいと考えている方も少なくないでしょう。今は考えていなくても、今後は住宅設備機器のloT化が進むため、スマートホーム化を想定しておくことが重要です。照明やエアコンなどスマート家電を使うには、Wi-Fiルーターが必要です。家中の隅々までWi-Fiが届くような設計を検討しましょう。中継器やメッシュWi-Fiを活用できるように、各部屋やキッチンなどコンセントを十分用意しておくのがおすすめです。

 

◎セキュリティに気を付ける

自宅にWi-Fi環境を整えたら、セキュリティ対策が必要です。セキュリティ対策を行っていなければ、通信内容の盗み見や、第三者による不正利用などの被害に遭う危険性があります。セキュリティリスクを回避するために、以下のことを行いましょう。

 

◆最新のセキュリティ方式を選ぶ

Wi-Fiには複数のセキュリティ方式があるため、セキュリティ強度が高いWPA3やWPA2を選びましょう。WPA3は最新のセキュリティ技術が用いられています。WEPなどの古いセキュリティ方式は脆弱性があるため、利用は推奨されていません。

 

◆第三者に推測されないパスワードに変更する

Wi-Fiのパスワードは、初期設定に簡単なものが設定されていることが多いため、第三者に推測されにくいものに変更しましょう。Wi-Fi機器を設定するための管理用パスワードも、第三者がアクセスできない複雑なものにしておくことが大切です。

 

◆ファームウェアを最新の状態にする

Wi-Fiルーターのファームウェアは、セキュリティ上の脆弱性解消や機能の追加・改善のためにメーカーから更新版が提供されます。常にアップデートして、最新の状態にしておきましょう。自動更新設定が可能な場合は有効にしておきましょう。古い機器はサポートが終了しているため、脆弱性が見つかっても対策されません。その場合、セキュリティリスクが高いため、買い替えを検討した方がよいでしょう。


■まとめ

新築戸建てを建てるときは、家中にWi-Fiが届きやすい設計にしておくと、暮らし始めて「Wi-Fiが届かない」と悩まずにすみます。Wi-Fiの安定性は住宅の構造にも影響されるため、鉄筋コンクリート造の場合は電波がつながりにくくなります。新築時に有線LANの配線も考えておきましょう。

今後は、家電や設備のloT化がますます進むと考えられています。新築戸建ては、将来のことも考えた設計を検討しましょう。