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2024/12/23
暮らし

毛布の洗濯頻度はどれくらい?
汚れのリスクと素材ごとの注意点を解説

ふわふわの毛布に包まれて眠る心地良さに、幸せを感じる方は多いのではないでしょうか。寒くなる季節には毛布が手放せなくなります。毛布にくるまりいつも気持ち良く眠りにつくためには、直接肌に触れる毛布を清潔に保つことが重要です。

本記事では、毎日使う毛布を清潔に保つためには、どれくらいの頻度で洗濯したらよいか、その目安についてご紹介します。また、洗濯せず同じ毛布を使い続けることで起こりうるリスクについても解説します。

毛布の洗濯頻度はどれくらい?<br />
汚れのリスクと素材ごとの注意点を解説

■意外に汚れている!?毛布を洗わず使い続けるリスク

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汚さないように気を配りながら使っている毛布は、一見きれいに見えるかもしれません。しかし、シミなどがなく汚れていないように見える毛布でも、毎日使用することで汗や皮脂、ホコリ、髪の毛など汚れが付着していきます。特に、毛足の長い毛布は汚れが奥に蓄積されやすく、汚れに気付きにくいかもしれません。

寝具として使う毛布は、1日の約1/3もの時間を、肌に触れた状態や肌に近い状態で使用します。寝ている間、毛布に付着しているホコリやゴミを吸い込んでしまうと健康被害につながる恐れがあります。特に注意しなければならないのが、アレルギー症状を引き起こすダニやカビの存在です。毛布などの寝具は、人の体温や寝ている間にかく汗によって湿気がたまりやすく、そのうえ、フケやホコリなどがエサとなるため、ダニやカビにとっては絶好の繁殖場所になります。汚れや増え続けるダニを含んだ毛布を使い続けると、鼻炎や気管支ぜん息、アトピー性皮膚炎、結膜炎などの症状を引き起こす恐れがあります。

【参考】東京都保健医療局「東京都アレルギー情報navi.」


■毛布を洗濯する頻度とベストなタイミング

毛布も衣類のように手軽に洗えて、毎日きれいな状態で使えたら、どんなに気持ちいいだろうと考える方もいるでしょう。しかし、毛布は大きさと重さから、頻繁に洗濯するとなるとハードルが高いと感じる人もいます。

毛布に汚れをため込まないためには、少なくとも年3回ほどの洗濯がおすすめです。汚れはもちろん、ダニも洗濯で洗い流すことができ、乾燥によっても死滅させられます。毛布を使い始める前に1回、使用中汚れが気になってきた時に1回、シーズンが終わり片付けるタイミングで1、毛布を洗濯しましょう。

【参考】東京都福祉保健局「住まいの中のアレルゲン対策 寝具の対策」(p.5)


■毛布を洗濯する前の3つのチェックポイント

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毛布に絡んだホコリや目に見えない汗や皮脂汚れ、気になるニオイなどをきれいさっぱり取り除くためには、丸ごと洗濯するのが最も効果的です。

ここでは、毛布を傷めることなく適切に洗濯するための、事前に確認すべきポイントをご紹介します。

 

① 洗濯表示

衣類を洗濯する際に確認するように、毛布も必ずタグなどにある「洗濯表示」を確認しましょう。まずは、自宅で洗えるかどうかをチェックします。水洗い不可のマークがなければ、洗濯機もしくは手洗いにより自宅で丸洗いができます。水洗い不可のマークがある場合は自宅では洗濯ができないため、クリーニング店に依頼しましょう。

自宅で毛布の洗濯ができそうなら、乾燥機が使えるかどうか、洗剤の種類や洗い方についての表示にも目を通して適切に洗ってください。ふんわり感を損なうことなくきれいに仕上がりやすくなります。

 

② 毛布の素材

毛布に用いられている素材はさまざまです。素材によって洗濯の仕方が変わってくるため、洗濯する毛布の素材は何か「洗濯表示」を見て確認しましょう。

●綿

水に強くて耐久性が高い、保温性・吸水性をもつ綿で作られた毛布は、ほとんどが自宅で洗うことができます。縮みやすくシワになりやすい、乾きにくいという特徴があるため、風通しのよい場所に干すなど乾かし方を工夫する必要があります。特に濃い色の毛布は色落ちしやすいため、単独洗いをおすすめします。

●ポリエステル

石油を原料にして作られた合成繊維ポリエステルは、シワがつきにくく耐久性と速乾性にも優れているため、丸洗いができお手入れしやすい素材です。一方で、汚れやニオイを吸着しやすい性質があるため、衛生的に使用するにはこまめに洗濯することが大切です。静電気が発生しやすく、毛玉もできやすいので、洗濯時には柔軟剤を使用するとよいでしょう。

●アクリル

ポリエステルと同じく合成繊維であるアクリルは、耐久性や速乾性、保温性をもち、ウールに似た柔らかい風合いが特徴です。軽さと暖かさを兼ね備えていますが、静電気と毛玉ができやすい性質があります。アクリル素材の毛布は基本的には自宅で洗濯ができます。ただし、なかには水洗い不可のものもあるため、その場合はクリーニング店に出しましょう。

●ウール

セーターなどによく用いられているウール(羊毛)は、弾力があり熱を逃がしにくく保温性が高い素材です。縮む可能性があるウールは、自宅では洗えないものもあります。洗濯表示に水洗い可とあれば、おしゃれ着用洗剤で優しく洗いましょう。洗濯後は、色あせやごわつきを防ぐために、直射日光を避けて乾かしましょう

●カシミヤ・シルク

高級素材であるカシミヤ(山羊の産毛)やシルク(絹)は、光沢があり、なめらかで優しい肌触りが魅力の素材です。基本的には、水洗いすると光沢が失われたり縮みの原因になったりするため、クリーニング店に出すことをおすすめします。陰干しして湿気を飛ばしたり、柔らかいブラシで毛並みに沿ってブラッシングしたりする日頃のお手入れが大切です。

 

③ 毛布の汚れ

生地を傷めることなくきれいに仕上げるには、洗濯前に汚れている部分を把握する必要があります。その場で取れるゴミやホコリは優しく取り除き、シミなどの汚れは予洗いをしておくとその後の洗濯で汚れが落ちやすくなります。


■毛布の洗い方

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洗濯前に3つのポイントをしっかりと確認したら、洗濯を始めましょう。ここでは、毛布の洗濯方法を4つご紹介します。

 

【1】洗濯機で毛布を洗う

洗濯表示に洗濯機洗いがOKのマーク(新洗濯表示では「洗濯OK)があったら、自宅の洗濯機で丸洗いができます。洗濯コストを抑えられる点が魅力です。毛布にダメージを与えないために、洗濯表示の細かな表示も見逃すことなく適切に洗濯機で洗濯しましょう。

 

① 毛布のサイズ・重さと洗濯機の容量を確認する

洗濯機で洗える毛布でも、毛布が自宅の洗濯機に入りきらない場合は洗濯機洗いを諦めましょう。毛布がきれいにならずに傷むだけでなく、洗濯機が故障する原因にもなります。洗濯機に毛布を入れてみて、洗濯槽にある程度余裕がある状態で洗濯しましょう。

② ホコリやゴミを軽く払う

洗いたい毛布が洗濯機で洗えることを確認できたら、手やブラシでホコリやゴミを優しくたたいて落としましょう。掃除機で吸い取ってもよいでしょう。

③ シミなどの汚れは予洗いする

毛布に目立つシミや汗などによる黄ばみが付いていたら、汚れに直接洗剤を染み込ませて、タオルやブラシで軽くたたきましょう。

④ 毛布をたたんで洗濯ネットに入れる

毛布用または大きいサイズの洗濯ネットを用意します。毛玉や生地の傷みが生じるのを防いでくれます。洗濯ネットの大きさに合わせて、毛布を蛇腹状(屏風だたみ)にたたみます。水と洗剤が毛布に行き渡りやすくなります。この時、汚れが付着している部分が外側になるようにたたむと汚れが落ちやすくなります。洗濯機によっては洗濯ネットが不要で、その代わり洗濯キャップが必要な場合もあります。また、一般的には蛇腹状に毛布をたたみますが、異なるたたみ方を指定している洗濯機もありますので、ご自宅の洗濯機の取扱説明書をよく確認してください。

⑤ コースを選択して洗剤を入れる

毛布を洗濯機に入れたら、「毛布コース」または「大物コース」を選びます。これらのコースがない場合は「手洗い」「弱水流」「ドライ」コースなど、優しく洗えるコースを選択します。洗濯表示を確認して、洗濯する毛布に適切な洗剤を洗濯機に投入しましょう。なお、粉末洗剤は溶け残り、生地にダメージを与える可能性があるため、液体洗剤を使いましょう。生地に優しいおしゃれ着用洗剤がおすすめです。

⑥ 毛布を押し沈める

洗濯槽に水がたまったら洗濯機の一時停止を押し、浮いてくる毛布を水に押し沈めます。しっかりと洗濯液を毛布に染み込ませてから洗濯を再開しましょう。

⑦ 毛布を干す

シワやニオイ、カビの繁殖を防ぐために、脱水が終わったら速やかに毛布を取り出し干しましょう。毛布によって、干し方(つり干し・平干し)や干し場所(日向・日陰)が異なります。洗濯表示を確認してから干してください。共通することは、風通しのよい場所でできるだけ早く毛布を乾かすことです。物干し竿を2本使ったり、ハンガーをいくつか毛布の下に吊り下げたりして隙間をつくることで、より風通しがよくなります。扇風機やサーキュレーターなどを併用すると、さらに効率よく乾かせます。途中で毛布を裏返す、向きを変えてみるのも効果的です。

 

【2】自宅の浴槽で毛布を洗う

洗濯表示に「手洗い」マークが付いている毛布や、洗濯機に入らない大型毛布は浴槽を使って洗濯しましょう。洗濯機で洗う場合と同様に、まずはホコリなどを優しく払い落とし、目立つシミなどを予洗いしてから始めましょう。

 

① 蛇腹状(屏風だたみ)にたたむ

浴槽の大きさに合わせて毛布を蛇腹状にたたみます。この時、シミなどの付いた部分を外側にもってくると落としやすくなります。

② 洗濯液を作り、足踏み洗いをする

浴槽に毛布がしっかりとつかるほどの水をため、おしゃれ着用洗剤を適量入れてかき混ぜます。畳んだ毛布を浴槽の水にひたし、足でまんべんなく踏んで洗っていきます。水と洗剤で大変滑りやすいので、手すりなどにつかまりながら十分注意して洗ってください。

③ シャワーで洗剤を洗い流す

浴槽の栓を抜き洗濯液を排水してから、シャワーを当てながら足踏みをして、毛布から洗濯液を流し出します。再び浴槽に毛布がつかるくらいの水を入れ、足で踏んですすぎをします。この「排水→シャワー→すすぎ」の工程を、水の濁りがなくなるまで繰り返します

④ 手や足踏みで脱水する

洗剤が落ちたら、手や足踏みで水をしっかりと絞り、毛布を浴槽の縁などにかけてしばらく水気を切ります。

⑤ 毛布を干す

洗濯機で洗う場合と同様に、洗濯表示にしたがって風通しよく干します

 

【3】コインランドリーで毛布を洗う

洗濯機洗いができても自宅の洗濯機に入らない大きくて分厚い毛布や、一度に複数枚毛布を洗濯したい場合は、コインランドリーを活用すると便利です。毛布の洗濯表示に乾燥機OKのマークがあれば、大きな乾燥機でふんわりと毛布を仕上げることもできます。

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【4】クリーニング店に毛布を出す

水洗いできない毛布や、自宅で落とし切れなかった頑固な汚れが付いている毛布丁寧に洗濯してきれいな状態に仕上げてほしい毛布などは、クリーニング店に依頼しましょう。

プロが毛布の素材に合わせて、繊維の中まできれいに洗い、仕上げてくれるでしょう。コストはかかりますが、自宅で毛布を洗う手間と時間を省くことができ、毛布を長持ちさせるには最適な洗濯方法です。


■毛布を長く使うための日頃のお手入れ

普段からのちょっとしたお手入れで、毛布を長くきれいに保つことが可能です。頻繁には洗濯できない毛布だからこそ、意識して取り入れてください。

 

◎陰干しする

使用した毛布をそのままにしていると湿気がこもってしまいます。それが繰り返されるとダニやカビの原因になってしまいます。使用後に陰干しして風を当て、湿気を飛ばしましょう。

 

◎ホコリやゴミを取り除く

柔らかいブラシでブラッシングしてホコリやゴミを払いましょう。毛並みもなめらかになります。定期的に掃除機をかけるとアレルゲン対策にもなり安心感が増します。

 

◎毛布カバーを使う

毛布にカバーをかけると汗やシミ汚れを防げるため、水洗い不可の毛布には特に有効です。カバーならこまめに洗濯もできて、気持ちよく毛布が使えます。


■まとめ

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良質な睡眠をとるためには、寝具は重要なアイテムです。ふわふわの毛布は寒い季節には手放せなくなるからこそ、汚れもたまりやすくなります。

つい後回しになりがちな毛布のお手入れですが、洗濯表示をチェックして定期的に洗濯をしましょう。毎日清潔な毛布に包まれ、爽やかな朝を迎えてください。