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2025/05/19
住まい

【猫と暮らす家】
大切な愛猫と快適に過ごすための家とは?

猫は完全室内飼いが推奨されています。愛猫と安心して快適に暮らすには、猫も人も心地よく過ごせる空間づくりが大切です。家を建てるときには、猫の習性に合わせた工夫を取り入れると猫にとっても人にとっても理想的な住まいが実現します。

本記事では、大切な愛猫と快適に過ごすための家づくりのポイントを解説します。猫の習性を理解して、安心・安全な住まいを目指しましょう。

【猫と暮らす家】<br />
大切な愛猫と快適に過ごすための家とは?

■猫が好きな環境・嫌いな環境を知っておこう

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猫と快適に暮らす家を建てるためには、猫が好む環境や苦手な環境を理解しておくことが大切です。猫の習性を考慮した空間づくりによって、愛猫のストレスを軽減し、快適な住まいを実現できます。

 

<猫が好きな環境>

猫が好むのは、次のような環境です。

●高い場所

猫には狩猟本能があるため、見晴らしの良い高所を好みます。キャットウォークや棚板を使ったスペースを設けましょう。

狭い場所

狭くて隠れられる場所は、猫にとって安心できる場所です。カゴやソファの下など猫の隠れ家を用意しておきましょう。

●暖かい場所

猫は体温が高いため、人にとって快適な室温でも猫にとっては寒く感じている可能性があるといわれています。猫は暖かい場所を好むため、日当たりの良い窓辺など、ひなたぼっこできる場所があると快適に過ごせます。

 

<猫が嫌いな環境>

反対に、猫が嫌うのは次のような環境です。

●不潔な場所

猫はきれい好きなので、トイレが不潔な状態を嫌います。トイレを清潔に保っておかないと、他の場所で粗相することもあるため、こまめに掃除しましょう。

●テリトリーへの侵入

猫は縄張り意識が強いため、自分のテリトリーに入られることを嫌います。猫は視界に入る場所を自分のテリトリーと考えるため、誰にも干渉されずにゆっくり過ごせる場所をつくりましょう。


■猫の習性に合わせた家づくりの工夫

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愛猫と快適に暮らす家を建てるときは、猫の習性を考慮することが大切です。人も猫も快適に暮らせるように家づくりの工夫をご紹介します。

 

<運動できる設備を作る>

一日を室内で過ごす猫のために、運動できる設備を用意しましょう。猫は上下運動を好みます。運動不足になると肥満やストレスの原因になるため、次のような設備を検討しましょう。

●キャットウォーク:猫が高い所を自由に移動できるよう壁や天井に設置した通路

●キャットタワー:猫が上下運動したり休憩したりできて、爪とぎもついている

●キャットステップ:壁に階段状に取り付けられるアイテム

キャットウォークやキャットタワー、キャットステップなどを設置すると、高所や上下運動が好きな猫の運動不足を解消し、ストレスを軽減できます。注文住宅なら吹き抜けにしてキャットステップを設置したり、見せ梁をキャットウォークにしたりできます。

 

<隠れられる場所を作る>

猫は狭い場所を好みます。猫にとって狭い場所は、外敵から身を守れる安全な場所であることが理由といわれています。狭い場所に入りたがるのは猫の習性なので、猫が隠れられる狭いスペースを用意しておきましょう。カゴやケージなどを用意しておくと、猫は落ち着いて過ごせます。

 

<ひなたぼっこのスペースを作る>

猫は暖かい場所が好きです。南向きの窓辺に、猫がひなたぼっこして寛げるスペースをつくりましょう。腰高窓は窓枠を広く取れば、猫が外を眺めながらひなたぼっこを楽しめます。

 

<爪とぎできる場所をつくる>

猫は、爪のメンテナンスやマーキングなどのために爪をとぐ習性があります。しかし、壁や家具で爪とぎをされると傷だらけになって困ります。猫が家中のいたるところで爪とぎしないように、爪とぎポールや爪とぎボードを設置しておきましょう。何種類か置いてみると、猫の好む爪とぎを見つけられます。

また、キャットタワーのポールは猫が爪とぎできるように麻縄が巻かれたタイプが多いため、キャットタワーを設置すると、爪とぎもできます。

 

<静かな場所に清潔なトイレを用意する>

猫のトイレは静かな場所に設置しましょう。猫が落ち着いて使えるように、人の出入りが少ない場所が適しています。例えば、洗面所や玄関の隅、人用のトイレの隅などは、掃除がしやすく換気もしやすいです。猫はきれい好きな動物なため、トイレは常にきれいにしておきましょう。

また、多頭飼いする場合は、設置場所だけでなくトイレの数にも気をつけましょう。猫は他の猫のにおいを嫌がることがあるため、一匹ずつに専用のトイレを用意することが好ましいです。トイレの数は、猫の頭数+1が理想的といわれています。例えば、2匹飼う場合はトイレを3つ用意しましょう。

 

<脱走防止対策をする>

好奇心旺盛な猫は、玄関ドアや窓を開けたすきに屋外へ飛び出してしまうことがあります。外に出てしまうと事故の危険性があるため、安全のためにも脱走防止対策が必要です。玄関と居室の間に脱走防止用のドアを設置することで、猫が外に飛び出さないようにしておきましょう。

また、網戸を引っかいて破り、穴から脱走することもあります。爪で引っかいても破れない網戸の使用がおすすめです。

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<ロック付きペットドアをつける>

猫は好奇心旺盛で独立心が強い動物です。部屋を自由に行き来できないと、ストレスがたまりやすくなります。猫のストレスを軽減するために、ペットドアを設置するのがおすすめです。ペットドアを設置すれば、猫は自分の好きなタイミングで部屋を移動できます。扉を引っかいて開けてもらおうとすることがなくなるため、傷を防ぐことにもつながります。

また、ドア全体を開ける必要がないため、冷暖房効率を落とさずにすむこともメリットの一つです。ロック機能が付いたペットドアは、状況に応じて出入りを制限できるため、外に出るのを防ぎたい場合にも安心です。

 

<危険な場所にはフェンスを設置する>

猫にとって危険な場所には、侵入を防止するフェンスを設置しましょう。例えば、キッチンには火や刃物があるため、ケガや火傷のリスクがあります。また、ネギ類やチョコレートなどのように、猫が食べると危険な食べ物もあります。誤飲や衛生面の問題もあるため、猫が自由に出入りできないようにしておくのが安心です。

猫の安全を守るためにも、危険な場所には自由に入れないように対策しておきましょう。


■多頭飼いの注意点

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複数の猫を飼育すると、一緒に遊んだり毛繕いしたりする姿に癒やされますが、その分トラブルも発生しやすくなります。猫を多頭飼いする際の注意点を解説します。

 

◎猫同士の相性に注意

多頭飼いは、猫同士の相性が重要になります。相性が良いのは親子や子猫同士が一般的です。オスとメス、またはメスとメスの組み合わせは比較的うまくいきやすいですが、オス同士は縄張り意識が強く、けんかが発生しやすいので注意が必要です。

また、高齢の猫は環境の変化に対応しにくいため、新たに猫を迎えるとストレスになる可能性があることに注意しましょう。

 

◎十分な広さの飼育スペースが必要

猫にはパーソナルスペースが必要です。そのため多頭飼いする場合は、猫が安心して過ごすために十分な広さが求められます。飼育する猫の上限は、「猫が自由に出入りできる部屋の数-1」が目安とされています。例えば、猫が出入りできる部屋が4部屋であれば、3匹が上限です。

猫の中には社交的なタイプと、1匹で過ごすことを好むタイプがいます。基本的に猫は1匹で静かに過ごせる場所が必要です。部屋数に対して飼育する数が多すぎると、猫にとってストレスになります。

多頭飼いする場合は、家の広さに合わせて頭数を決め、それぞれの猫が安心して過ごせるように寝床や隠れ場所を用意しましょう。また、猫はそれぞれ専用のトイレが必要です。トイレの数は「猫の頭数+1」なので、2匹飼う場合は3つ、3匹飼う場合は4つ用意しましょう。

 

◎病気やトラブルが発生しやすい

猫を多頭飼いすると、感染症や猫同士のけんかなど、病気やトラブルが発生しやすくなる点に注意が必要です。感染症を予防するには、定期的にワクチン接種やノミやダニの駆除を行いましょう。感染リスクを減らすため、トイレや食器は共有を避けることも大切です。ストレスが原因で病気になることもあるため、相性が悪い場合は隔離することも検討しましょう。


■まとめ

猫と暮らす家づくりは、猫の習性を理解することが大切です。高い場所や上下運動できる場所、安心して過ごせる隠れ家などを用意すると、猫は快適に過ごせます。脱走やケガを防ぐための安全対策や、清潔なトイレ、爪とぎできる場所も用意しておきましょう。

このような工夫を取り入れることで、猫も人も快適に暮らせる理想の住まいが実現します。