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2025/06/23
暮らし

引越しの手続きはやることがいっぱい!必要な手続きを事前に把握しておこう

いざ引越しが決まると、多くの手続きが必要になります。引越し前と引越し後に行う手続きがあるため、段取りよく進めることが大切ですが、「いつまでに、どの手続きをすればよいのか分からない」とお困りの方も少なくありません。

本記事では、引越し前後に必要となる手続きをご紹介します。また、意外と見落としがちな手続きについても取り上げますので、引越しを控えた方はぜひ参考にしてください。

引越しの手続きはやることがいっぱい!必要な手続きを事前に把握しておこう

■“引越し前”に必要な手続き

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引越しの1ヵ月前頃から各種手続きが必要となります。手続きは早めに行うことで、スケジュールに余裕が生まれます。

 

【賃貸物件・駐車場に退去の連絡】

賃貸物件にお住いの方は、退去日が決まり次第、管理会社や大家さんへ早めに退去の連絡を行いましょう。一般的には1ヵ月前までに連絡が必要ですが、物件によっては2〜3ヵ月前までに連絡が必要な場合があります。まずは、賃貸借契約書で退去時の連絡期日を把握しておきましょう。

また、賃貸物件とは別契約の駐車場を利用している場合も解約手続きが必要です。駐車場の解約期日も賃貸物件と同じく1ヵ月前までとしているケースが多いものの、2〜3ヵ月前までに連絡が必要な場合があります。

 

【引越し業者の手配】

引越し日が決まったら、できるだけ早めに引越し業者の予約を済ませておきましょう。とくに年度末や年度初め、異動時期などの繁忙期は予約が取りづらく、料金も高くなりがちです。複数の業者に見積もりを取り、サービス内容や料金を比較するのがおすすめです。

 

【ライフラインの使用停止・開始手続き】

電気・ガス・水道の使用停止と新居での開通手続きは、1〜2週間前を目安に済ませておきましょう。電話やWebで約1ヵ月前から申し込みできます。直前にバタバタと段取りしたり、うっかり忘れたりしないように早めに手続きしておきましょう。ガスの開栓のみ立ち会いが必要です。

 

【学校の転校手続き】

子どもがいるご家庭では、学校の転校手続きが必要です。手続きは、引越し先や公立・私立によって異なります。私立の場合、学校法人によって編入方法や手続きなどが異なるため、各学校の窓口に確認しましょう。公立の場合の手続き方法は以下のとおりです。

 

<引越し先が同一市区町村で公立小中学校に転校>

  1. 在学している学校に、「在学証明書」「教科書給与証明書」を発行してもらう
  2. 役所で転居届を提出する際、「入学通知書」を発行してもらう(転校先が指定される)
  3. 「在学証明書」「教科書給与証明書」「入学通知書」を転校先の学校へ提出する

<引越し先が同一市区町村以外で公立小中学校に転校>

  1. 在学している学校に、「在学証明書」「教科書給与証明書」を発行してもらう
  2. 役所で転居届を提出する際、「転出証明書」を発行してもらう(転校先が指定される)
  3. 引越し先の市区町村窓口に「転入届」「転出証明書」を提出し、「入学通知書」を発行してもらう
  4. 「在学証明書」「教科書給与証明書」「入学通知書」を転校先の学校へ提出する

<公立高校に転校>

  1. 転居先の教育委員会に連絡し、手続き方法などを確認する
  2. 入学を希望する高校に転校が可能か、欠員の有無などを確認する
  3. 転校前の高校から「在籍証明書」「単位習得証明書」など必要書類を発行してもらう
  4. 編入または転入試験を受け、合格すれば転入が認められる

【火災保険の手続き】

賃貸住宅でも、多くの場合は火災保険に加入しているため、契約内容の確認と必要な手続きを行いましょう。

●   賃貸から賃貸への引越し:保険の異動手続きで引き継が可能な場合もあり

●   賃貸から持ち家への引越し:新たに持ち家用の保険に加入し、現在の保険は解約

ただし、物件によっては管理会社指定の火災保険に加入が必要なケースもあるため、事前に確認が必要です。引越しの1ヵ月前くらいから余裕を持って手続きしておきましょう。

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【転出届の提出(別の市区町村に転居する人)】

他の市区町村へ引っ越す場合は、現在の市区町村役場に「転出届」を提出しましょう。提出期間は、引越しの14日前〜当日までです。提出時に発行される「転出証明書」は、引越し先の役所での手続きに必要なので、紛失しないように注意しましょう。

2023年からはマイナポータルを通じて、転出届のオンライン提出や転入先の市区町村に来庁予定の連絡(転入予約)が可能となっています。

 

【国民健康保険の住所変更・資格喪失手続き】

同じ市区町村内で引っ越す場合は、国民健康保険は住所変更届の提出のみです。引越し後14日以内に手続きを行いましょう。一方、他の市区町村に転居する場合は、転出日から14日以内に国民健康保険の資格喪失手続きが必要です。その後、新住所の市区町村役場で新たに加入手続きを行いましょう。

 

【原付バイクの廃車手続き(他の市区町村へ転居する場合)】

他の市区町村へ引っ越す場合は、現在の市区町村役場にナンバープレートを返却し、「廃車証明書」を発行してもらう必要があります。なお同一市区町村内に引っ越す場合は、これらの手続きは不要です。転居届の提出だけで自動的に住所変更されます。

 

【児童手当の住所変更手続き(他の市区町村へ転居する場合)】

同一市区町村内に引っ越す場合は手続き不要です。他の市区町村へ引っ越す場合は、旧住所の役場で「児童手当受給事由消滅届」を提出し、新住所の役場に提出する「所得課税証明書」を発行してもらいましょう。

 

【郵便物の転送手続き】

郵便物の転送手続きをしておけば、引越し後1年間は旧住所宛の郵便物を新住所へ転送してもらえます。郵便局の窓口のほか、「e転居」や転居届のポスト投函でも手続き可能です。転居サービスが開始されるまでに1週間ほどかかることもあるため、引越しの1〜2週間前には手続きを済ませておきましょう。

 

【固定電話の移転手続き】

固定電話の移転には、新居での回線工事が必要になるケースがあります。NTTの「フレッツ光」の場合、申し込みから開通まで2〜4週間ほどかかることがあるため、余裕を持って手続きしておきましょう。工事日は予約制のため、スケジュール調整を早めに行うのが大切です。


■“引越し当日”に必要な手続き

引越し当日は、旧居と新居でそれぞれ手続きが必要です。

 

【旧居での鍵の返却】

荷物の搬出が終わったら、鍵を返して旧居を明け渡します。管理会社や大家さんが部屋の傷・汚れなどを確認するため、必要に応じて立ち会うこともあります。

 

【新居ではガスの開栓の立ち会い】

水道や電気は立ち会い不要ですが、ガスの開栓には立ち会いが必要です。当日はガス会社のスタッフが開栓を行うため、忘れずに対応しましょう。


■“引越し後”に必要な手続き

引越し後も必要な手続きは数多くあります。市区町村役場での手続きを忘れていると過料が発生するものもあるため、忘れないように注意しましょう。

 

【転居届・転入届の提出】

同一市区町村内での引越しは「転居届」、他市区町村からの転入は「転入届」を14日以内に提出します。本人確認書類や印鑑(本人の署名があれば省略可)に加えて、他市区町村からの引越しでは、転出証明書も必要です。

 

【マイナンバーカードの継続利用の手続き】

転居届・転入届と合わせてマイナンバーカードの住所変更手続きもしておきましょう。他市区町村から転入の場合は、継続利用の手続きも必要です。手続きには暗証番号の入力が必要なので準備しておきましょう。継続利用手続きをしなければ、マイナンバーカードは失効してしまいます。忘れずに手続きしておきましょう。

 

【印鑑登録の手続き】

他の市区町村へ引っ越す場合、転出届を提出すると印鑑登録が自動的に抹消されるため、新住所の役場で新たに登録が必要となります。同一市区町村内での引越しであれば、転居届を提出するだけで印鑑登録の住所も変更されます。印鑑登録は必須ではありませんが、不動産の契約や自動車の購入、公的な手続きなどで必要になるため、早めの登録がおすすめです。

 

【国民年金の住所変更】

会社員(第2号被保険者)や扶養家族(第3号被保険者)は、勤務先に「被保険者住所変更届」を提出すれば会社が手続きしてくれます。一方、自営業や農業・漁業者、学生、無職などの第1号被保険者は、引越しから14日以内に市区町村役場で住所変更の手続きが必要です。

転居先の市区町村が変わらない場合、自治体によっては、住民票の変更と同時に国民年金の住所も変更してくれます。転居届を提出する際に確認しておきましょう。

 

【国民健康保険の加入手続き(他の市区町村へ転居する場合)】

他の市区町村へ引っ越す場合、前住所で国民健康保険の資格喪失手続きを済ませた上で、転入後14日以内に新住所の役場で加入手続きを行います。必要書類は自治体によって異なるため、事前にホームページなどで確認しておくと安心です。

 

【運転免許証の住所変更】

運転免許証は、引越し後に警察署や運転免許試験場で住所変更手続きが必要です。必要書類は自治体によって異なるため、居住地の警察署のホームページなどで確認が必要です。住所変更の期日はとくに決まっていませんが、転居後は速やかに手続きしておきましょう。

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【自動車の住所変更】

車の所有者は、引越し後15日以内に運輸支局で「変更登録」を行います。管轄の運輸支局が変わる場合はナンバープレートも変更になるため、車の持ち込みが必要です。手続きには車検証や印鑑、新住所の住民票、新住所の車庫証明書などが必要なため、あらかじめ準備しておきましょう。

 

【車庫証明の住所変更】

普通車は「自動車保管場所証明申請書」、軽自動車は「自動車保管場所届出書」の提出が必要です。保管場所の所在図や駐車場の保管場所使用承諾証明書などと一緒に、新住所の所轄の警察署に提出しましょう。車庫証明は、自動車の住所変更に必要です。申請から交付までには数日かかるので、早めに手続きを始めましょう。

 

【原付バイクの住所変更(他の市区町村に転居する場合)】

他の市区町村へ引っ越す場合、旧住所の役場で発行してもらった「廃車証明書」などを提出し、新しいナンバープレートを発行してもらいます。同一市区町村内の引越しであれば手続き不要です。

 

【学校の転校手続き】

転居届や転入届を提出すると、「入学通知書」を発行してもらえます。引越し前の学校で発行してもらった「在学証明書」「教科書給与証明書」などと一緒に、転校先の学校へ提出します。

 

【児童手当の手続き】

同一市区町村に引っ越す場合は、住所変更の届け出のみで手続きは完了します。一方、他市区町村へ引っ越す場合は、転居前の役場に「児童手当受給事由消滅届」、転居先の役場には転出予定日の翌日から15日以内に、「児童手当の認定請求書」と「所得課税証明書」などを提出します。


■意外と忘れてしまいがちな手続き

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転居前後は多くの手続きを同時に進めるため、つい忘れてしまいがちなこともあります。次のような手続きは忘れがちなので注意しましょう。

 

<インターネット回線の移転手続き>

インターネットを利用している人は転居先でもすぐに利用できるよう、2〜4週間前に移転手続きをしておきましょう。集合住宅に転居する場合、すでに回線が引かれていて、現在契約中のインターネットがそのまま使えない場合もあるため、早めに転居先の管理会社に確認しておきましょう。

 

<通販(Amazon、楽天など)の住所変更>

Amazonや楽天などのネット通販を利用している方は、アカウント情報やお届け先の住所変更を済ませておきましょう。変更できていないと、商品が旧住所に届いてしまうトラブルが発生します。

 

<定期購入の住所変更>

野菜の宅配、雑誌の定期購読、グルメやサプリの定期便など、毎月自動的に届く定期購入を利用している方は住所変更が必要です。継続するか解約するか検討して、早めに手続きを済ませておきましょう。

 

<クレジットカード・銀行口座の住所変更>

クレジットカードや銀行口座は、マイページやアプリで手続きできる場合が多いですが、金融機関によって方法が異なります。詳しくは各社のWebサイトなどで確認しましょう。

 

<犬の登録>

犬の飼い主には、現在居住している市区町村に飼い犬の登録をすることや、年1回の狂犬病予防注射を受けさせること、犬の鑑札と注射済票を飼い犬に装着することが義務づけられています。そのため、転居の際は、転入から30日以内に犬の登録情報の変更が必要です。

異なる市区町村から転入した場合は、旧住所で交付された鑑札を持参し、新しい自治体の鑑札に交換してもらいます。同じ市区町村内で転居する場合は、旧住所の鑑札を持参して「登録事項変更届」を提出します。

なお、すでにマイクロチップが装着されている犬(2022年よりペットショップなどで販売される犬はマイクロチップの装着が義務化)の場合、わざわざ役所や保健所に行かなくても、「犬と猫のマイクロチップ情報登録サイト」から登録情報の変更が可能です。ただし、この変更は『特例適応の自治体』のみ可能となっていますので、引越し先の自治体が特例適応かどうか必ずご確認ください。

【参考】マイクロチップ情報登録制度 | 環境省

 

<パスポートの手続き>

パスポートは、2020年2月4日以降に申請されたものには住所欄がなく、住所変更の手続きが不要です。これは個人情報保護の観点から住所記載が廃止となったからです。

2020年2月3日以前に申請したパスポートの場合は、旧住所を二重線で消して欄内に新住所を記入し直すことで対応します。ただし、転居に伴い本籍地を別の都道府県に移した場合は、旅券センター窓口で記載事項の変更手続きが必要です。


■まとめ

引越しには転居前から転居後まで、さまざまな手続きが必要となります。手続きには期日が決まっているものも多いため、遅れないように注意が必要です。スムーズな引越しのために、自分に必要な手続きをリストアップして、漏れなく手続きを進めていきましょう。