子育てと仕事の両立には多くの壁があり、思うようにいかないことも多いものです。子育てと仕事の両立がなぜ難しいのか、その理由を解説します。
<睡眠不足による疲労や急な予定変更>
乳幼児を育てる親は、夜中の授乳や夜泣きで睡眠時間が削られがちです。睡眠不足が続くと疲労が蓄積し、仕事中の集中力にも影響を及ぼします。また、子どもの急な発熱などで保育園から呼び出されることも多く、早退・欠勤を余儀なくされることも少なくありません。
特にフルタイムで働く親の場合、出勤前に家事をこなしてから子どもを保育園に送り、会社に向かうという忙しい日常が続きます。そこへ急な予定変更が起こると時間の余裕がなくなります。疲労が蓄積しやすいことや、予期せぬ事態が起こりやすいことが、両立を難しくする大きな要因となります。
<家事・育児の負担が一人に偏りがち>
家事や育児の負担がどちらか一方に偏ると、不公平感やストレスの原因になります。たとえば、パートナーの帰宅が遅く協力が得られない場合や、「自分でした方が早い」と一人で抱え込んでしまう場合など、役割分担がうまく機能しなければ、両立はより困難になってしまうでしょう。また、不公平な家事・育児の分担は、夫婦間の関係にも悪影響を及ぼすことがあります。家事は、「名もなき家事」など目に見えない労力も多いため、どちらかに負担が偏りすぎないよう協力が不可欠です。
<支援制度を利用するのが難しい>
育児休業や時短勤務などの支援制度は整っているものの、「周囲に迷惑をかけるのでは」「キャリアに影響があるのでは」といった遠慮や不安から、利用に踏み切れない人も少なくありません。
厚生労働省の調査によると、男性の育児休業取得率は上昇傾向にあるものの、令和5年度で30.1%と、女性の84.1%に比べてまだまだ低水準です。職場環境によって、両立支援制度があっても利用しにくい状況が、仕事と育児を両立する妨げとなっている場合があります。
【参考】:厚生労働省|令和5年度雇用均等基本調査「事業所調査」