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2025/07/27
子育て

子育てと仕事の両立を実現するための解決法や役立つ制度を紹介

働き世代にとって、子育てと仕事の両立は大きな悩みの一つであり、多くのママやパパが育児と仕事の両立に苦労しています。近年はリモートワークが普及し、在宅勤務も可能になってきましたが、それだけで問題が解決できるわけではありません。

しかし、家事の工夫や制度の活用を取り入れることで、育児と仕事のバランスを取りやすくさせることは可能です。本記事では、働き世代が子育てと仕事を両立させるための方法や、上手に両立するためのコツについて解説します。子育てと仕事の両立を実現したい方は、ぜひ参考にしてください。

子育てと仕事の両立を実現するための解決法や役立つ制度を紹介

■子育てと仕事の両立が難しい理由

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子育てと仕事の両立には多くの壁があり、思うようにいかないことも多いものです。子育てと仕事の両立がなぜ難しいのか、その理由を解説します。

 

<睡眠不足による疲労や急な予定変更>

乳幼児を育てる親は、夜中の授乳や夜泣きで睡眠時間が削られがちです。睡眠不足が続くと疲労が蓄積し、仕事中の集中力にも影響を及ぼします。また、子どもの急な発熱などで保育園から呼び出されることも多く、早退・欠勤を余儀なくされることも少なくありません。

特にフルタイムで働く親の場合、出勤前に家事をこなしてから子どもを保育園に送り、会社に向かうという忙しい日常が続きます。そこへ急な予定変更が起こると時間の余裕がなくなります。疲労が蓄積しやすいことや、予期せぬ事態が起こりやすいことが、両立を難しくする大きな要因となります。

 

<家事・育児の負担が一人に偏りがち>

家事や育児の負担がどちらか一方に偏ると、不公平感やストレスの原因になります。たとえば、パートナーの帰宅が遅く協力が得られない場合や、「自分でした方が早い」と一人で抱え込んでしまう場合など、役割分担がうまく機能しなければ、両立はより困難になってしまうでしょう。また、不公平な家事・育児の分担は、夫婦間の関係にも悪影響を及ぼすことがあります。家事は、「名もなき家事」など目に見えない労力も多いため、どちらかに負担が偏りすぎないよう協力が不可欠です。

 

<支援制度を利用するのが難しい>

育児休業や時短勤務などの支援制度は整っているものの、「周囲に迷惑をかけるのでは」「キャリアに影響があるのでは」といった遠慮や不安から、利用に踏み切れない人も少なくありません。

厚生労働省の調査によると、男性の育児休業取得率は上昇傾向にあるものの、令和5年度で30.1%と、女性の84.1%に比べてまだまだ低水準です。職場環境によって、両立支援制度があっても利用しにくい状況が、仕事と育児を両立する妨げとなっている場合があります。

【参考】:厚生労働省|令和5年度雇用均等基本調査「事業所調査


■仕事における両立のポイント

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仕事と育児の両立には、支援制度の利用や働き方の柔軟性が大きなポイントとなります。近年は法改正により、両立支援制度も拡充されています。主な制度を紹介するので、上手に活用しましょう。

 

[育児休業の取得]

育児休業(育休)は、原則として子どもが1歳になるまで取得可能です。両親がともに育児休業を取得する場合、「パパ・ママ育休プラス」という制度もあり、子が1歳2ヵ月に達するまで休業可能期間が延長されます。

2022年の法改正では、「産後パパ育休(出生時育児休業)」が新設され、男性も子の出生後8週間以内に最大4週間の休暇を2回まで取得できるようになりました。従来は育休を原則1回しか取得できませんでしたが、男女ともそれぞれ2回まで分割して取得できるようになったため、夫婦で育児を分担しやすくなり、職場復帰への不安やキャリア形成への影響を軽減できるようになりました。

育休中は雇用保険から給付金が支給されるため、収入面の不安を軽減されます。令和7(2025)年4月1日には、「出生後休業支援給付金」や「育児時短就業給付金」が創設され、経済的な不安をさらに解消できるようになりました。

 

[短時間勤務制度の活用]

育休後、3歳未満の子どもを育てる方は、1日の勤務時間を6時間に短縮できる「短時間勤務制度」を利用できます。企業によっては小学校入学まで適用している場合もあるため、勤務先の制度を確認しましょう。時短勤務は収入面の減少があるものの、子どもの送迎や夕食の準備など、家庭の時間を確保するために有効です。

 

[在宅勤務制度を利用する]

在宅勤務が可能であれば、通勤時間が不要になるため、育児や家事の時間を確保しやすくなります。保育園への送迎がしやすく、子どもの体調不良にも柔軟に対応できます。在宅勤務の導入は会社の方針によるため、まずは勤務先の就業規則を確認しましょう。

 

[フレックスタイム制の活用]

従業員が、始業・終業時刻をある程度自由に決められるフレックスタイム制度を導入している企業もあります。保育園の送り迎えなど、生活リズムに合わせた勤務が可能になるため、仕事と育児を両立しやすくなります。フレックスタイム制はコアタイムの有無が企業によって異なるため、勤務先が導入している場合は人事部や上司に相談して、適用条件を確認しましょう。

 

[子の看護等休暇を活用する]

小学校3年生修了までの子どもがいる方は、子どもが病気やケガをした際に休める「子の看護等休暇」を年5日(2人以上で10日)取得できます。令和7(2025)年4月1日からは、感染症による学級閉鎖などや入園(入学)式、卒園式なども対象になりました。子どもの病気や学校行事などの理由で休みが必要になる場合に利用しましょう。


■家庭における両立のポイント

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仕事と育児を両立するには、家庭内での協力が欠かせません。家族で協力し合い、家事・育児を分担することで、両立の負担を大きく軽減できます。

 

☆夫婦で役割分担を明確にする

仕事と育児の両立には、夫婦で協力して家事・育児を分担することが不可欠です。どちらか一方に負担が偏りすぎないよう話し合い、役割分担を決めましょう。週末にはお互いのスケジュールを確認し、保育園への送迎の担当を調整するなど、小さな積み重ねがストレス軽減につながります。

 

☆家事の効率化で時間短縮

家事をできるだけ効率化しましょう。次のような工夫で家事の時短が可能です。

● 食洗器やロボット掃除機などの時短家電を活用

● 洗濯物はハンガー収納でたたむ手間を削減

● シワになりにくい素材を選んでアイロンかけを削減

● 休日にまとめ買いと作り置きで平日の調理時間を短縮

● カット野菜・冷凍食材・ミールキットなど便利な食材を活用

● 家事代行サービスを活用

便利な時短家電の活用や、手を抜けるところは抜くことで、家事を短時間で済ませれば、子どもと過ごす時間を大幅に増やせるでしょう。

 

☆地域のサービスを活用する

地域の子育て支援サービスを活用すれば、育児の負担軽減が可能です。たとえば、以下のようなサービスを利用できます。

● 一時預かり:保育所で一時的に子どもを預かってくれるサービス。緊急時やリフレッシュしたいときなどに利用できます。

● 病児保育:子どもが病気のときに、一時的に預かってもらえるサービス。どうしても仕事を休めない日などに利用できます。

● ファミリーサポートセンター:子育ての相互援助サービス。保育園や幼稚園の送迎や、送迎前後の預かりなど幅広く利用できます。

これらのサービスを上手に活用すれば、育児の負担を軽減できます。利用には事前登録が必要な場合も多いため、早めに手続きを済ませておくと、いざというときに安心です。


■子育てと仕事の両立を成功させるためのコツ

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最後に、仕事と育児の両立を成功させるためのコツをご紹介します。

 

◎完璧を目指さない

仕事・育児・家事の全てを完璧にこなそうとすると、心身が疲弊し、両立を難しくすることもあります。完璧を目指さずに「7~8割できていればOK」という気持ちでいれば、心に余裕が生まれます。頑張るところと手を抜くところのメリハリをつけ、「バランスの取れた状態」を目指しましょう。予定通りにできなくても、「こういう日もある」と受け入れることが大切です。

 

◎優先順位を明確にする

限られた時間内で効率よくタスクをこなすには、優先順位を明確にすることが重要です。まずは緊急度が高く、かつ重要なことを最優先で片づけましょう。タスクを整理し、順に取り組んでいくと、時間を有効活用できます。

 

◎自分のリフレッシュ時間を確保する

仕事と育児や家事に追われる毎日は、どうしても疲れがたまります。心身ともに健康でいるためには、リフレッシュする時間も必要です。「夫婦で交代して自由時間を持つ」「趣味や運動に取り組む」「1人の時間を楽しむ」など、お互いに自分の時間を確保しましょう。心身の健康は、家族の笑顔にもつながります。


■まとめ

子育てと仕事の両立は、決して簡単なことではありませんが、完璧を求めすぎないことが大切です。まずは夫婦で家事や育児の分担について話し合い、お互いに無理のないように協力し合うことが重要です。さまざまな支援制度も積極的に活用しましょう。

また、職場での理解と協力も欠かせません。支援制度の利用にためらいを感じることがあるかもしれませんが、日頃から職場の同僚と助け合える関係を築いておくのが理想的です。自分一人で仕事を抱え込まず、業務の引き継ぎや情報共有を普段から心がけておくと、お互いをカバーし合えます。協力してくれる職場の仲間へは、感謝の気持ちを忘れずに伝えることも大切です。

支援制度の活用やパートナーとの協力、職場との良好な関係づくりによって、無理のないように仕事と子育てを両立させましょう。