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2026/01/26
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節分の意味や歴史,豆まきの正しいやり方と作法についてご紹介

「鬼は外!福は内!」というかけ声とともに豆をまく節分の行事は、私たちにとってなじみ深い年中行事のひとつです。しかし、節分の意味や由来、豆まきの正しい作法について、実はよく知らないという方も多いのではないでしょうか。

節分は単なる季節の行事ではなく、古くから受け継がれてきた「邪気払い」です。正しい意味を知ることで、形式的に豆まきを行うだけでなく「一年を健やかに過ごしたい」という願いを、より深く込めることができると思います。

この記事では、節分の本来の意味や歴史といった背景から、豆まきの正しいやり方や作法まで詳しく解説します。

節分の意味や歴史,豆まきの正しいやり方と作法についてご紹介

■節分の意味

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節分と聞くと、「2月3日の豆まき」を思い浮かべる人が多いかもしれません。しかし、本来の「節分」には、もっと広い意味が含まれています。まずは、節分の本来の意味や由来などを解説します。

 

【「節分」とは季節を分ける節目のこと】

「節分」とは、文字通り「季節を分ける」という意味です。もともとは立春・立夏・立秋・立冬のそれぞれの前日を指していました。つまり、昔は一年に4回の節分があったのです。

なかでも立春は、厳しい冬を越えて春が始まる節目の日です。旧暦では一年の始まりと考えられていたため、特に重要視されてきました。そのため、次第に立春の前日だけが、「節分」として残り、現在の形に定着しました。

 

【節分は「2月3日」とは限らない?】

多くの人が「節分=2月3日」と覚えていますが、実は節分の日付は毎年固定されているわけではありません。節分はあくまで「立春の前日」であるため、立春の日付がずれると、節分もそれに合わせて変動します。

実際、2021年には124年ぶりに節分が2月2となり、大きな話題になりました。さらに2025年も立春が2月3日となり、節分はその前日の2月2日でした。

例年どおり3日だと思っていると、節分がすでに過ぎて立春を迎えていたという場合もあります。節分は立春の前日とされているため、年によって日にちが異なる点に注意しましょう。

季節の変わり目に邪気を払うという本来の意味を大切にするためにも、毎年の日付を確認しておくと安心です。

 

【なぜ「鬼」が登場するのか】

季節の変わり目は、古くから「邪気(鬼)」が生じやすい不安定な時期と考えられていました。古来、人々は自分たちの力ではどうにもできない疫病や災害、飢饉(ききん)などの災いを「邪気」と呼び、その象徴が「鬼」です。

なお、鬼に「牛の角」があり、「虎の皮のパンツ」を穿いているのは、鬼がやって来るとされる「鬼門(北東)」が、十二支でいう「丑」と「寅」の間であることに由来しているといわれています。

このように、節分の豆まきは単なる年中行事ではなく、災いを遠ざけ、無病息災を願うための大切な厄払いの儀式なのです。


■節分の歴史

現在私たちが行っている豆まきの風習は、平安時代の宮廷行事にまで遡るといわれています。時代とともに形を変えながら、貴族の儀式から庶民の年中行事へと広まり、今の節分へと受け継がれています。

 

<宮中行事「追儺(ついな)」がルーツ>

豆まきの起源とされるのが、中国から伝わった「追儺(ついな)」という儀式です。奈良時代~平安時代には、宮中で大みそかに鬼払いの儀式として行われていました。「鬼やらい」とも呼ばれ、「方相氏(ほうそうし)」と呼ばれる役が四つ目の四角い仮面をつけ、桃の弓と葦の矢を使って鬼を追い払う儀式です。

 

<庶民への普及>

宮廷の儀式だった追儺が、現在のような「豆まき」として庶民に浸透したのは、室町時代から江戸時代にかけてのことです。この頃に「鬼は外、福は内」と唱えながら「豆をまいて鬼を払う」という形式が定着したと考えられています。

 

<豆をまく理由>

鬼払い豆をまくようになった背景には、いくつか由来があります。豆まきには、「魔を滅する(まめ)」という語呂合わせや、鬼の目(魔目)に豆をぶつけて退治するという意味が込められています。

また、五穀には生命力を象徴する精霊が宿るとされ、なかでも粒の大きな大豆は邪気を払うのに適していると考えられてきました。

なお、豆は必ず煎ったものを使います。これは、「射る」と「煎る」をかけただけでなく、拾い忘れた豆から芽が出る(魔の芽が出る)ことを避けるためでもあります。


■豆まきの正しいやり方

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ここでは、一般的に伝えられている豆まきの正しい手順をご紹介します。地域によって多少の違いはありますが、基本の流れを押さえておきましょう。

 

1.神棚へのお供え

豆をまく前に、枡に入れた豆を神棚にお供えします。神棚がない場合は、目線より高い場所に白い紙を敷き、その上に豆を置きましょう。

2.夜になったら豆をまく

鬼は夜にやってくるとされているため、豆まきは夜に行うのが一般的です。時間帯の目安は20時~22時頃です。家族がそろう時間帯を選びましょう。

3.外に向かって「鬼は外!」、扉を閉めて「福は内!」

豆まきは、家の奥から玄関へ向かって行います。まず窓や玄関を開け、「鬼は外!」と声をかけながら外へ豆をまきます。その後、すぐに扉や窓を閉め、今度は室内に向かって「福は内!」と豆をまきましょう。これは、外に追い出した鬼が再び入ってこないようにするためです。

4.最後に豆を食べる

豆まきが終わったら、一年の無病息災を願いながら豆を食べます。食べる豆の数は「自分の年齢の数」または「年齢+1粒」とされ、地域によって異なります。


■豆まきの作法

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豆まきには、いくつかの作法があります。作法を知ったうえで行うと、節分という行事への理解がより深まるでしょう。

 

◎福豆と枡を用意する

豆まきに使う豆は、必ず「煎った大豆(福豆)」を用意します。市販の節分用の豆で問題ありません。なお、豆を入れる器は「枡(ます)」が理想的です。「増す」という言葉に通じ、縁起が良いとされています。枡がない場合は、折り紙で折った箱や小鉢などでも代用できます。

 

◎豆まきの時間帯

豆まきは、鬼が活動を始めるとされる夜に行うのが基本です。また、豆をまく役割は一家の主が担うとされてきましたが、年男・年女が行ったり、地域によっては厄年の人が行ったりすることもあります。ただし、近年では形式にこだわらず、家族全員で楽しみながら行う家庭が多くなっています。

 

◎豆の持ち方と投げ方

豆をまくときは左手に枡を持ち、胸の高さに構えて右手で豆をつかみます。投げる際は、手のひらを上に向けて下からそっと放り投げる「下手投げ」が正式です。

 

◎「年取り豆」を食べるルール

豆まきが終わったら、その豆を食べて一年の健康を祈ります。これを「年取り豆」と呼び、1年の厄除けを願う意味があります。食べる数は自分の年齢の数、または年齢+1粒が一般的です。

もし豆の数が多くて食べるのが大変な場合は、「福茶(ふくちゃ)」がおすすめです。福茶とは福豆を入れたお茶のことで、湯飲みに福豆を3粒、梅干し、塩昆布を入れ、熱いお茶を注いで作るお茶です。3は吉数で、梅の花は「めでたい」、昆布は「よろこぶ」に通じ、縁起の良い組み合わせとされています。

なお、消費者庁では、5歳以下の子どもに硬くてかみ砕く必要がある豆を食べさせないように注意喚起を行っています。小さな子どもがいる家庭は、安全面に配慮しましょう。

参考:Vol.617 節分は窒息・誤嚥に注意! 硬い豆やナッツ類は5歳以下の子どもには食べさせないで! | 消費者


■マンションやアパートでの豆まきの注意点

集合住宅では、廊下やベランダは共用部分にあたるため、豆を外にまくとトラブルの原因になることがあります。窓を閉めて豆が室外に飛び出さないようにまきましょう。外に向かって投げるフリをするだけでも構いません。


■豆まき以外の節分の風習

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節分には豆まき以外にも、さまざまな風習があります。これらの風習を知ることで、節分という行事をより楽しめるでしょう。

 

<恵方巻>

今や豆まきと並ぶ節分の定番となった恵方巻は、もともと関西地方で親しまれてきた風習です。七福神にちなんで7種類の具材を入れるのが基本ですが、最近はさまざまな具材を包んだ恵方巻が販売されています。恵方巻は、その年の恵方(歳徳神がいる方角)を向き、願い事をしながら無言で一本を丸ごと食べるのが習わしです。途中で話すと、福が逃げてしまうとされているため、黙々と食べきるのがポイントです。

<柊鰯(ひいらぎいわし)>

柊鰯とは、焼いた鰯の頭を柊の枝に刺し、玄関先に飾る風習です。焼いた鰯の強いにおいと、柊のトゲによって鬼を寄せ付けないという意味が込められています。主に関西地方を中心とした西日本の風習です。

<こんにゃく>

四国地方では、節分にこんにゃくを食べる風習があります。こんにゃくは「体の中を掃除する食べ物」として、「砂おろし」とも呼ばれます。身を清める目的で、節分の日に食べられてきました。

<けんちん汁>

関東の一部地域では、節分にけんちん汁を食べる風習があります。けんちん汁は、鎌倉の建長寺発祥の精進料理で、大根・ごぼう・にんじんなどの根菜や豆腐をごま油で炒めてから、出汁を加えてしょうゆで味付けする汁物です。体が温まるので、寒い節分に食べられるようになりました。


■まとめ

節分は、古くから無病息災を願って受け継がれてきた行事です。節分の意味や豆まきの作法を知ることで、何気なく行っていた行事が、より意味のある時間へと変わるでしょう。今年の節分は、由来に思いをはせながら正しいまき方を取り入れて、家の中に明るい福を呼び込みましょう。