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2021/05/28
暮らし
#住宅ノウハウ #ことわざ釘

建物に関わることわざから知る日本人の知恵
「釘」にまつわることわざ

日常の生活に根ざした昔から伝わる日本のことわざ。実は建物に関することわざも少なくありません。ことわざの中には、なるほどと思わず納得してしまう知恵や発想を再発見できるものが数多くあります。今回は、建築にもDIYにも欠かせない「釘」にまつわることわざについてご紹介します。

建物に関わることわざから知る日本人の知恵<br />
「釘」にまつわることわざ

釘の歴史は飛鳥時代から

釘の歴史は飛鳥時代に遡ると言われ、日本人と釘の関わりには想像以上に長い歴史があるわけです。昔から日本人には馴染みのある釘ですが、釘1本足りなければ家は建たないとまで昔から言われるほど、家づくりにはとても大切な部品なのです。

 

日本の木造建築は、木組みに代表される独得な建築工法により建てられてきました。その工法に合わせて釘も、刀鍛冶と同じ鍛造による「和釘(わくぎ)」として発展を遂げてきました。

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昔の釘

釘は建築の要(かなめ)

この小さな釘の登場により、比較的短時間に効率よく木材を接合することができるようになり、丈夫で堅牢な建物がどんどん増えていきました、釘の普及に伴って、国の生産力や国力も増していったのです。木材と木材をしっかりと接合して建物を組み立てていく釘の重要性は、いまも変わらず住宅建築には無くてはならない建築の要とも言えるものです。

 

釘を使ったことわざも多く残っており、そのことわざからは、日本人の生きていく上での生活の知恵を伺うことができます。

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大工

釘にまつわることわざ

「釘を刺す(くぎをさす)」

お馴染みなところですと「釘を刺す」ということわざが、すぐに思い浮かびます。これは後になって問題が起こらないように、念を押して相手に確認するという意味があります。人間関係においての約束ごとや、相手に忘れて欲しくない要点を強調するわけです。もともとは、江戸時代になってこれまで木組みだけの木材の接合の仕方に加えて、念のためにその箇所に釘を打つことで、より強固にする工法を意味する、いわば大工さんの業界用語でした。

「釘の裏を返す(くぎのうらをかえす)」

裏側に突き出た釘の先を叩いて曲げて、抜けないようにする「釘の裏を返す」という、さらに念を押すことわざもあります。この2つのことわざは、釘の持つ信頼性や重要性から念を押すという表現に転じていることわざなのです。

「糠に釘(ぬかにくぎ)」

糠というのは、玄米を精米した胚芽や皮などで構成する粉状のものです。そこに水分をくわえて粘度を増し、柔らかくペースト状にしたものに野菜などを漬けたものが、糠漬けの漬け物になります。このやわらかい糠に釘を打つことを言い表していることわざですが、何の手ごたえも効き目もないことを意味しています。このことわざは、江戸時代の庶民の生活の中から出てきた、諦めなどを笑いに替えるジョークとして使われていたそうです。

「釘が利く(くぎがきく)」

「糠に釘」とは逆の意味に、「釘が利く」ということわざもあります。これは、刺した釘がしっかりと効果を発揮していることを意味し、物事はすべてそう有りたいと思える、刺した本人にすれば何とも嬉しいことわざなのです。住宅を新築するときは、自分の思いを実現するためにも、打ち合わせではしっかりと釘を刺して、釘の利いた住宅を建てたいものです。


まとめ

日本人の持つ生活の知恵が詰まったことわざの数々。その中でも建築に関することわざは、家を建てる人にとっても思わず納得してしまうウンチクが詰まった知恵袋です。建築ことわざには、参考になるような思わぬ建築のヒントや深い意味が隠されているかも知れません。