TOPICS
トピックス
NEW
2026/09/23
住まい

木造住宅のメリットやデメリットについて深掘り解説!
コストは?耐用年数は?

家の構造は、大きく木造・鉄骨造・鉄筋コンクリート(RC)造の3つに分けられます。なかでも木造は、日本の戸建てでもっとも多く選ばれています。ただ、家を建てるとなると、費用や住み心地、耐久性等が気になる方も多いでしょう。

本記事では、木造住宅の特徴やメリット・デメリットを紹介します。コストや耐用年数についても解説しますので、マイホームを検討する際の参考にしてください。

木造住宅のメリットやデメリットについて深掘り解説!<br />
コストは?耐用年数は?

■木造住宅とは?

①-2AdobeStock_704301192.jpeg

木造住宅とは、柱や梁など建物を支える主要な構造部分に木材を用いた住宅のことです。壁や床の仕上げに木材を使っているかどうかではなく、建物の骨組みを何でつくるかによって分類されます。骨組みに鉄骨を用いるものは鉄骨造、鉄筋とコンクリートを用いるものは鉄筋コンクリート(RC)造です。

木造住宅は、日本で古くから親しまれ、現代も新築一戸建てのうち木造住宅が約9を占めています。林野庁の「令和7年度森林・林業白書」によると、2025年の新設一戸建て住宅における木造率は92.5%でした。

木造住宅の代表的な工法には、木造軸組工法と木造枠組壁工法があります。木造軸組工法は、柱と梁を組み合わせて骨組みをつくる工法です。筋かいや耐力壁を配置し、地震や強風などで建物にかかる横方向の力に抵抗します。「在来工法」とも呼ばれます。

一方、木造枠組壁工法は、木材でつくった枠組に構造用合板などを取り付けて壁・床・屋根を構成する工法です。壁や床などの面を一体化して箱状の構造をつくり、建物全体で地震や風の力を受け止めます。「ツーバイフォー工法」などが含まれます。

※参考:第1部 第3章 第2節 木材利用の動向(2):林野庁 


■木造住宅のメリット

①-3AdobeStock_87305645.jpeg

木造住宅には、他の構造に比べて建築コストを抑えやすいことをはじめ、さまざまなメリットがあります。ここでは、木造住宅の主なメリットを解説します。

 

<建築コストを抑えやすい>

木造住宅は、鉄骨造やRC造に比べて建築コストを抑えやすい傾向にあります。比較的軽量で加工しやすく、工期を短縮しやすいことが理由のひとつです。また、建物の重量を抑えやすいことから、地盤改良工事にかかる費用を抑えられることもあります。

さらに木造住宅は、日本で最も普及している構造だからこそ、ローコスト住宅からハイグレードな注文住宅まで価格帯の選択肢が非常に幅広い点もメリットです。予算に合わせて無垢材などの素材や住宅設備のグレードを柔軟に調整できるため、限られた予算のなかでもメリハリをつけた家づくりがしやすくなります。

 

<断熱性を確保しやすい>

木材は内部のすきまに空気を含むため、鉄やコンクリートに比べて熱を伝えにくい素材です。そのため、柱や梁を通して外の暑さや寒さが室内に伝わりにくいというメリットがあります。ただし、実際の断熱性能は、断熱材や窓の性能、気密性などにも左右されます。これらを適切に組み合わせることで、木材本来の遮熱性を活かし、冷暖房効率が高く省エネの住まいを実現できます。

 

<木造軸組工法は間取り変更に対応しやすい>

木造住宅のなかでも、柱や梁で骨組みをつくる木造軸組工法は、間取り変更に対応しやすい工法です。将来、子ども部屋を仕切ったり、間仕切り壁を撤去して一つの空間にしたりするなど、ライフスタイルの変化を見据えた住まいづくりを計画しやすいでしょう。

ただし、すべての壁や柱を自由に取り外せるわけではありません。将来の間取り変更を考えている場合は、新築時に住宅会社や設計者へ希望を伝えておきましょう。構造上必要な柱・壁と、将来変更しやすい間仕切り壁をあらかじめ確認しておくと、リフォーム計画を立てやすくなります。


■木造住宅のデメリット

①-4AdobeStock_204891719.jpeg

木造住宅にはメリットだけでなくデメリットもあります。木造住宅の主なデメリットについて解説します。

 

<シロアリや湿気による劣化に注意が必要>

木造住宅で注意したいのが、シロアリによる被害と湿気による木材の劣化です。シロアリは木材を食害するため、床下や壁の内部など、見えにくい場所で被害が進むことがあります。また、木材は湿った状態が続くと、腐ったり傷んだりするおそれがあります。柱や土台などの家を支える木材が傷むと、住宅の耐久性や安全性に影響するおそれがあるため注意が必要です。

対策の基本は、シロアリを防ぐための防蟻処理と、木材を湿らせない工夫です。建築時には、防腐・防蟻処理に加え、床下の湿気を防ぐ対策や換気、雨水を建物内部に入りにくくする対策などが行われます。住み始めてから、雨漏りや水漏れに気付いた場合は、早めに原因を調べて補修しましょう。

また、建築時に防蟻処理をしていても、効果が半永久的に続くわけではありません。一般的に薬剤の防蟻効果は5年程度が目安とされており、定期的な点検や再処理が必要です。点検の時期や保証内容は薬剤・工法によって異なるため、新築時に住宅会社へ確認しておくと安心です。

 

<遮音性が低い>

木造住宅は、RC造に比べて床から生活音が伝わりやすいというデメリットがあります。木造の床はRC造のコンクリート床より軽く、足音や物を落としたときの衝撃で振動しやすいためです。特に、2階の足音や子どもが走る音、物を落とした音などは、1階に響くことがあります。

対策としては、寝室の上に子ども部屋を配置しないなど、間取りを工夫する方法があります。床の遮音・防振対策や二重天井などの仕様も選べるため、生活音が気になる場合は、設計段階で住宅会社に相談しておきましょう。


■木造住宅の耐用年数

木造住宅の法定耐用年数は22です。法定耐用年数とは、建物の価値が何年でなくなるとみなすかを税金の計算用に決めた年数です。住宅の構造ごとに以下のようになっています。

構 造

法定耐用年数

木造

22年

鉄骨造(骨格材の肉厚が3㎜以下のモノ)

19年

鉄骨造(骨格材の肉厚が3mmを超え4mm以下)

27年

鉄骨造(骨格材の肉厚が4mmを超えるもの)

34年

RC造

47年

法定耐用年数は、課税のために定められたもので、建物の寿命というわけではありません。国土交通省の資料では、木造住宅の骨組みがもつ期間の目安が、劣化への対策の手厚さ別に示されています。対策の手厚さは「劣化対策等級」という1〜3の数字で表され、3が最高です。住宅ローン「フラット35」の基準と同じ程度の等級2で50〜60年、等級3なら75〜90年が目安とされています。

ただし、これらの年数は、点検や補修を続けることが前提です。雨漏りを放置したり、シロアリの点検を怠ったりすれば、骨組みが傷んで寿命は縮みます。一方、適切に手入れを続ければ、法定耐用年数よりはるかに長く住み続けることも可能です。木造住宅の寿命は、住み始めてからのメンテナンス次第といえるでしょう。


■木造住宅にかかるコスト

①-5AdobeStock_1565955770.jpeg

家を建てる費用は、建物そのものの工事費だけではありません。外構や水道の引き込みなどの付帯工事費、登記やローンの手数料などの諸費用もかかります。一般的な目安は、総額の7割が建物本体、2割が付帯工事費、1割が諸費用です。

国土交通省の統計から、木造の持家(一戸建て)の工事費を計算してみます。2025年の着工分は1㎡あたり約26.1万円で、坪単価にすると約86万円です。35坪の家なら約3,010万円が目安になります。ただし、着工前に届け出る予定額のため、実際の金額は前後します。

住み始めてからは、修理代も必要です。防蟻処理は5年、外壁の全面補修は15〜20年が目安とされています。火災保険料や固定資産税も、毎年かかる費用です。木造は保険料が高めですが、火が広がりにくい「省令準耐火構造」にすれば抑えられます。


■まとめ

木造住宅は、鉄骨造やRC造に比べて建築費を抑えやすく、断熱性や間取りの自由度が高いといったメリットがあります。一方、シロアリや湿気への対策が必須で、2階の足音が響きやすいといったデメリットがあることに注意が必要です。法定耐用年数は22年ですが、これは税金の計算に使う数字で、家の寿命ではありません。劣化への対策と適切に手入れを続ければ、50年以上住み続けることも可能です。また、費用を考えるときは建物の工事費だけでなく、付帯工事費や諸費用、将来の修理代まで含めて見積もりましょう。

木造ならではの特徴を把握しておくと、ハウスメーカーや工務店など住宅会社の提案も比べやすくなります。気になる点があれば質問して、自分たちの暮らしに合う住まいを見つけましょう。