家づくりを検討する場合に、間取りをどうするかは重要なポイントになります。それは間取りによって家の機能性や住み心地、さらには建築費や固定資産税の査定などにも大きく影響するためです。多目的に利用できるスペースを増やしながらも、コストを抑えることのできるロフトは、魅力的な住空間と言えます。ロフトは、収納や書斎、寝室などとして使うことができるためとても便利ですが、具体的な利用イメージを持たずに設置してしまうと、途中から使いづらくなり、いずれはデットスペースになってしまうことにもなりかねません。
ロフトは便利な多目的スペース
もともと納屋や馬小屋に干し草などを蓄えるために、屋根裏に設けたスペースを意味するロフトですが、天井を高くして、部屋の一部を2層式にした上部空間のことです。登り降りは専用のハシゴを使い、寝室や子どもの遊び場、書斎、収納スペースなど多目的に利用することができます。今回は、便利な多目的スペース、ロフトについてご紹介します。
ロフトの魅力
ロフト設置に関する建築規制
ロフトを設置する場合の基本的な建築規制は、ロフトの特徴でもある天井の高さを1.4メートル以下にするという高さ規制があることです。面積についても、ロフトのある部屋の面積の8分の1までであるということ。またロフトへかけるハシゴは、固定されていてはならないとなっています。ただ、固定されていないハシゴでは、昇降の際、不安に感じてしまいます。その場合には収納階段というものがあります。これは古民家などで見かける階段箪笥に似たもので、クローゼットや収納ボックスを組み合わせて仮の階段にしたものです。このロフト用収納階段ならば固定ではなく後から設置していることになるので、比較的認められやすいとされていますが、設置の際にはハウスメーカーの担当者など専門家にご相談ください。
ロフトのメリットと注意点
あらためてロフトのメリットをあげると、部屋の空間全体が広々と感じられるということです。そしてロフト部分は人の視線より高い位置にあるため、部屋の様子を見られることもありません。また、狭小地に家を建てる場合には、縦にしか部屋のスペースを取れない場合が多く、そういうケースではロフトを設置することで、住宅の機能性を向上させることができます。その場合は、リビングに設置することで利便性が高まるケースが多いようです。ロフトを設置する場合に気をつけたいのは、部屋が広くなった分、冷暖房の効きめに影響が出る場合があるということです。そのため冬は寒く夏は暑くなることがあります。その時には、屋根や壁の断熱性の向上と合わせて考えることも必要になってくるでしょう。また塵や埃が溜まりやすい構造になっているため、掃除やメンテナンスのしやすさも考慮に入れた設計も大切になってきます。ロフトを設置する場合は、設計段階から使用目的を充分に検討する必要があります。
まとめ
多目的スペースとして機能性の高いロフトですが、収納スペース以外にも書斎、子ども部屋、寝室など、ライフスタイルに合わせてさまざまな可能性のある魅力的な空間となります。ただ、昇降の安全性や設置後の掃除のしやすさなど、設計段階から総合的に検討することも大切です。住宅展示場にはロフトや屋根裏部屋を設置したモデルハウスが多数展示されていますので、参考にすることをおススメします。