住宅ローン減税は10 年以上の住宅ローンを利用して住宅を購入した人を対象としています。この制度を利用すると、その年の年末時点での住宅ローン残高の1%相当額(最大40万円)が10年間に渡り所得税から控除されます。つまり税金が安くなる制度です。所得税だけで控除しきれない場合は、住民税からも控除が受けられます。
住宅ローン減税の控除期間が13年に~注文住宅は9月末まで契約が条件
特集「住宅取得支援制度2021」
第2回「住宅ローン減税」
住宅ローン減税は、正式には「住宅借入金等特別控除」といい、住宅ローンの金利の負担を軽減する優遇制度です。これまでは減税期間が10年でしたが3年延長されます。対象者は住宅ローンを組んで、新築住宅を購入した人、注文住宅を建てた人です。なお、注文住宅を建てる場合、契約を今年9月末まで行うことが条件となりますので、期限にはくれぐれもご注意ください。いまからでもまだ間に合う支援策を活用して、理想の家づくりを実現してください。
2021年度の改正で変わった点
2021年度の住宅ローン減税がこれまでの制度と変わった点は、以下の2点となります。
➀控除期間が13年に延長
住宅ローン減税は年末残高に対して1%の税金が控除され、これが10年間続きますが、消費税率の引き上げ(2019年10月)により、3年延長されて合計13年となりました。その条件として、消費税率10%が適用される注文住宅の契約を今年9月末までに行うこと、そして、2022年12月末までに入居した場合が13年間の対象となります。ただし、消費税率8%の物件や、消費税がかからない物件を購入した場合は、住宅ローン減税の控除期間は10年間となります。
②床面積が50㎡から40㎡に緩和
住宅の床面積の広さについて条件が緩和されています。2020年度は50㎡以上でしたが、所得が1000万円以下の場合、2021年度は40㎡以上に緩和されました。さらに、床面積の1/2以上が居住用であることも条件となっています。
減税を受けられる条件
そのほか、住宅ローン減税が受けられる主な要件は次のような項目となります。
要件1 住宅ローン減税を受ける人が引き渡し後、6カ月以内に自ら居住すること。
要件2 住宅ローンの借入金の返済期間が10年以上であること。
要件3 夫婦が別々に借りるペアローンの場合、合計所得金額が3000万円以下であること。
要件4 床面積は原則50㎡以上。所得1000万円以下の方は40㎡以上。ただし、住宅の一部を店舗や事務所などで使用している場合は、床面積の1/2以上が居住用であること。
要件5 増改築・リフォームの場合、工事費が100万円超で、費用の1/2以上が自己の居住用であること。ただし、リフォーム減税との重複利用はできませんので、どちらが有利か比較して選択。
土地も住宅ローン減税の対象?
土地のみを購入する場合は住宅ローン減税の対象になりません。ただし、住宅取得と同時期に土地を取得して住宅を新築する場合、先に土地を購入し、2年以内に住宅を新築する場合の土地購入のためのローンは対象になります。
また、注文住宅を建てる場合で、住宅建築と別に土地購入を単独で住宅ローンを組んだ場合は、土地に関する住宅ローン減税の期間は13年延長には該当せず、控除期間は10年間となります。
初年度は確定申告が必要
住宅ローン減税を受けるためには、入居した年の翌年に確定申告をする必要があります。
住宅ローン減税は、住所地等の管轄の税務署の受付に必要書類を提出し、確定申告(還付申告)をします。会社員等給与所得者の場合、自分で確定申告をしない人が多いと思いますが、税務署で確定申告を行わないと住宅ローン減税の控除を受けることができないので、遅れないように必ず申告しましょう。確定申告は住宅を取得し入居した年の翌年に、原則として2月16日から3月15日に行います。個人事業主などは、一般の確定申告と併せて行います。還付申請のみであれば、1月から申請ができます。
まとめ
住宅ローン減税の控除期間が13年に延長可能となりましたが、注文住宅を建てる方は今年9月末までにハウスメーカーなどと契約を交わすことが条件となります。期限が迫っていますので、くれぐれも留意してください。住宅展示場にはハウスメーカー各社が出展していますので、まずはそちらにご相談ください。いまからでもまだ間に合う住宅取得に向けて、住宅ローン減税をご活用ください。
次回は「すまい給付金」についてご紹介します。