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2021/08/08
暮らし

車椅子でも安心、玄関から外に移動できる方法~スロープを利用して外出をラクに

今回は、車椅子で家の中から外へ出る際の移動ルートをどのように確保するかについて紹介します。高齢者にとって外出する機会は、デイサービスや病院、スーパーや近隣へのお出かけなど意外と多いものです。高齢者が出かける際に、部屋から道路までの移動をいかにスムーズにし、安心して気軽に出かけられるようにするかがポイントとなります。これから新築やリフォームを計画する際の参考にしてください。

車椅子でも安心、玄関から外に移動できる方法~スロープを利用して外出をラクに<br />

玄関にはベンチや手摺りを設置

高齢者の部屋から玄関までの通路には手摺りを設置し、歩行を助けます。時間がかかるようなら通路途中に椅子を置き、休みながらゆっくりと玄関まで進みます。玄関では段差(框)があれば、そこに腰掛けて靴を履くことができます。また、玄関に椅子や小さなベンチを置くとことで、座って靴を履いたり、一息ついたりできる場となります。手摺りは座ったり立ったりする場所の近くに設置しますが、動きが上下になるため縦に設置します。

玄関の段差には携帯スロープが便利

高齢者が車椅子を使用している場合、玄関の段差は大きな障害となります。そこで有効なのが携帯スロープです。18㎝程度の段差であれば、長さ120㎝ほどの携帯スロープで昇降できます。ただし、スロープに加えて介助者と車椅子が動ける広さ(約1~1.5m)が必要となります。玄関がある程度広くないと設置できないこともありますので、新築やリフォームの際には、できれば将来の介護を考慮して広めに確保しておきましょう。

車椅子でスロープを移動するときは、上りは前向き、下りは後ろ向きで移動します。これが逆になると、座っている人が前かがみに落ちてしまう危険性があるので注意が必要です。

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玄関から道路への移動が楽なスロープ

玄関を出たら、次は道路までのアプローチとなります。玄関ドアの前のスペース(玄関ポーチ)は、ドアの開きと車椅子がとめられる広さが必要です。そして、ポーチから道路までスロープを設ける場合、車椅子が無理なく通れる角度と長さを考慮しなければなりません。

 

玄関ポーチと道路との高低差は30㎝以上という住宅が多く見られます。

勾配1/12(120㎝行って10㎝上がる)とすれば、30㎝上るためには360㎝のスロープが必要になります。

玄関から道路まで360㎝のスロープを確保するのが難しい場合、スロープを住宅の壁面に沿うようにつくったり、ワイドステップにすることで解決できることがあります。

ワイドステップとは、10㎝以下の階段を2、3個つけることで、一つひとつのステップ(階段でいうと足で踏む部分)が短くできる、省スペース型のスロープのことです。30㎝の段差の場合でも、2つ階段をつけると1ステップは90㎝ほどの長さで済み、全長180㎝のスロープにすることが可能です。

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段差や階段は段差解消機で解決

玄関から道路まで高さがある場合、高低差を解消するのが段差解消機という設備です。エレベータのように車椅子に乗ったまま昇降できるので、スロープをつくる必要はなくなります。また、屋内外に長い階段がある場合、階段昇降機を採用すると便利です。これは階段に昇降機が走行するガイドレールを設置し、それに沿って椅子が動く設備です。費用は平均で50~60万程です。


まとめ

高齢者が外出する際、階段や障害物への不安があります。段差や階段は特に危険性が高く、転倒する場合も考えられます。これから新築やリフォームを計画される際には、高齢者が徒歩や車椅子で気軽に外出できるように、室内から外への移動のしやすさや安全性の高い設備や工夫を施すことで、毎日のお出かけが楽しく過ごせることも大切なポイントと言えます。