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2021/08/22
趣味

個人庭が見学できるオープンガーデン〜コロナ禍でもおもてなしの精神で開催

オープンガーデンという言葉をご存知でしょうか?オープンガーデンというのは、個人の庭を一般の人にも見てもらうため、決められた期間だけ公開すること、そしてその公開されている庭のことを言います。自治体の中には町おこしの手段として積極的に取り組むところもあり、花好きには貴重な情報交換の場ともなっています。

個人庭が見学できるオープンガーデン〜コロナ禍でもおもてなしの精神で開催

オープンガーデンの起源

オープンガーデンの歴史は、1927年に英国で設立された「ナショナル・ガーデン・スキーム(NGS/全英国庭園機構)」という慈善団体が、個人庭園などを一般の人々に有償で公開し、その収益を看護や医療団体に寄付したのが始まりです。

この英国のオープンガーデンの情報を一冊の本にまとめたのが、「GARDENS OF ENGLAND AND WALES」。通称、イエローブックです。年1回発行されるイエローブックに載るにはNGSの厳しい審査がありますが、掲載されることは庭主の誇りとなっています。

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日本のオープンガーデンの始まり

オープンガーデンは日本でも二十年ほど前から始まりました。最初の頃は「よかったら見ていってください」といった、やや謙虚で控えめな気持ちで始まり、現在では英国のように入場料をとる庭も見かけるようになりましたが、おもてなしの精神は当初から変わらず続いているようです。最近ではガーデニングブームに乗って、オープンガーデンに取り組む自治体も増え、イベント化して町の活性化に貢献するケースも見られるようになりました。チャリティーとして有料で実施するところもあれば、入場料などは設けず、気軽に見て回り、楽しく参加できる場としてオープンガーデンを実施しているところもあります。実施している主な自治体としては、埼玉県深谷市、埼玉県坂戸市、長野県小布施町、長野県松本市などがあります。

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オープンガーデンのマナー

オープンガーデンは他人に庭を見学させてもらうということで、それなりのマナーを設けているところがほとんどです。マナーを掲示していない場合でも、最低限守ってほしいマナーとルールについては知っておきましょう。マナーを守ることによって見学者全員が気持ちよく見学でき、庭主も快く迎え入れてくれるのです。

オープンガーデンのマナーには、主に次のようなものがあります。

・マスクは必ず着用すること。

・手指の消毒は必ず行い、会話は小さな声で行うこと。

・大勢での鑑賞はしないこと。

・予約が必要な時は、必ず予約してから伺うこと。

・決められた見学時間は守ること。

・庭の植物を傷つけたり、持ち帰ったりしないこと。

・自分のゴミは持ち帰ること。

・近所に配慮して静かに見学すること。

・入ってはいけない場所へは入らないこと。

・個人邸なので駐車場はないと思い、公共の交通機関を利用すること。

など

歴史ある深谷市のオープンガーデン

関東で代表的なオープンガーデンとして知られているのが、埼玉県深谷市の「ふかや花フェスタ&オープンガーデンフェスタ」です。2003年の春に開催され、今では春の風物詩として毎回県外からも多くの来場者があり、個人の庭をはじめ、市内各所で様々なイベントも開催されます。残念ながら昨年は新型コロナの影響から中止となりましたが、今年は感染対策をしっかり行い、規模を縮小して5月半ばに行われました。コロナ以前にはオープンガーデンフェスタは市内全域が会場となり、約60軒の個人庭を見学できました。見学には徒歩やレンタルサイクルのほか、「花めぐりバス」(要事前予約)や「花めぐりタクシー」が利用されています。

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活気にあふれる花のイベント

例年、花フェスタ会場の深谷城址公園では、ガーデニングコンテストやモデルガーデン、花苗・植木・ガーデニング用品の販売や郷土料理の屋台が並びます。また、誰でも参加できるガーデニング教室やステージイベント、さらにイベント終了間際には会場を飾った花苗などを売る「せり市」なども開催されます。

来年の「ふかや花フェスタ&オープンガーデンフェスタ」は、例年のように活気にあふれた賑わいが戻ってくることを願うばかりです。

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まとめ

コロナ禍において、自分の庭を他人に見てもらうという人は少ないでしょう。庭好きという同じ趣味でつながる仲間でも、以前のように気軽に開放できなくなっています。しかし、それでもオープンガーデンを開催した深谷市民には敬意を表したいと思います。来年もまた開催して市民を元気づけてほしいものです。もし近所にオープンガーデンのお宅を見つけた時は、気軽に見学してみてはいかでしょうか。庭づくりや家づくりの参考になると思います。