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2021/08/29
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(第3回)鉄筋コンクリート(RC)造~建てる前に知っておきたい建築工法

“建てる前に知っておきたい建築工法”シリーズの第3回は、「鉄筋コンクリート(RC)造」。木造以外の工法でよく知られている工法が、この鉄筋コンクリート(RC)造です。RC造ともいい、RCは(Reinforced Concrete)の略で、直訳すると「補強したコンクリート」を意味します。主に柱や梁、床、壁が鉄筋とコンクリートという2つの材料で構成されています。今回は、鉄筋コンクリート(RC)造の特長や性能について解説します。

(第3回)鉄筋コンクリート(RC)造~建てる前に知っておきたい建築工法

間取りの自由度が高いからリフォームも楽

鉄筋コンクリート造は、熱とサビに弱い鉄筋と、圧力には強いが引っ張られる力に弱いコンクリートを使い、互いの短所を上手く補強し合った建築工法です。まず上げられるメリットは形状の自由度が極めて高いことでしょう。鉄筋を組んだ型枠にコンクリートを流し込んで固めて作るため、外観においては強度の規制などをクリアすれば、丸みを帯びた壁面など自由度の高い建物を建てることができます。また構造上、室内の空間を遮る柱がないため、各部屋の間仕切りも自由自在。そのため後々リフォームする際にも間取りの変更が容易なのです。

優れた気密性と遮音性

鉄筋コンクリート造は、隙間がなく気密性が高いため、木造と比べて外からも内からも音の透過が少なく、遮音性が高い工法といえます。そのため、子育て中の家族や室内で音楽などを楽しみたい人は、周囲への音漏れを気にせずに生活を楽しむことができます。

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耐震性と耐火性にも優れている

また鉄筋コンクリート造は、素材自体に重量があるため倒壊しにくく、耐震性にも優れています。また不燃材であるコンクリートで鉄骨が覆われているため耐火性にも優れ、万一火事の際に、外側の骨格が燃えて崩れるようなことはほとんどありません。

2種類ある鉄筋コンクリート造

鉄筋コンクリート造には、「壁式構造(WRC造)」と「ラーメン構造」の2種類の工法があります。住宅に利用されるのは主に壁式構造(WRC造)で、この壁式構造は、基礎の上に箱を積み重ねるイメージです。2階建てなら1階部分に箱を置いて、その上に2階部分の箱を乗せていきます。一方、ラーメン構造は、鉄骨の柱と梁で建物を支える工法です。

建てる前の注意点

鉄筋コンクリート造で家を建てる場合、総重量が重いため、地盤によっては地盤補強工事が必要になることもあります。地盤補強工事は地盤によって大きくコストが変わってきます。そのため宅地選びの際には、地盤の確認は要注意です。次に建物の設計段階で注意したい点に、室内の空調と換気があります。近年建てられる鉄筋コンクリート造ではほぼすべての住宅で断熱処理を行っているため、断熱効果も高くなっています。ただ気密性が高いため湿気がこもりやすいという特徴があります。そのためにも台所や風呂場などの水回りスペースには、湿気をためない換気の行える空調システムの設計が大切になってきます。

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まとめ

鉄筋コンクリート造は、間取りの自由度の高さや耐火性、耐震性、遮音性などに優れています。また気密性が高いため湿気を溜めない空調システムが快適な生活を送るポイントにもなってきます。住宅展示場では、鉄筋コンクリート造を専門とするハウスメーカーのモデルハウスを自由に見学することができるので、まずは実際に見学をして、その工法の特長や良さを体験してみてはいかがでしょうか。気になる建築工法は、建てる前に知っておきたいですね。

第4回目は、「鉄骨造」をご紹介します。