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2021/05/21
お出かけ
#ランドスケープ

家も街も見た目が大事
高級住宅地に学ぶ美しい街づくり

昔から日本人は美しい風景を絵や俳句などで表現し、愛でてきました。その中には田園や山村などの家並みが表現されたものも数多くあり、人が作ったものと自然とが美しく調和した風景は、人の心を魅了するのではないでしょうか。昔ながらの美しい街並みは全国いたるところにありますが、最近の住宅地にも景観に優れたところが増えています。

家も街も見た目が大事<br />
高級住宅地に学ぶ美しい街づくり

美しい日本を取り戻す法律

現代の日本では、市町村がいつまでも美しい姿のままであり続けるというのは難しいことのようです。いつしか田畑や森林には住宅や商業施設、マンションなどが建ち、自然との美しい調和は崩れてしまうからです。こうした景観を損ねる街づくりが頻発したことから、国は美しい国づくりを目指して景観法という法律をつくり(2004年6月公布)、市町村でも景観を守る景観条例を制定するようになりました。

 

条例では建物の高さや形状、デザインはもとより、たばこや空き缶のポイ捨て、犬のフンの放置、喫煙などと、細かく規制する地域もあります。その効果もあり美しい街並みが生まれ、新たな集客へとつながり地域が活気を取り戻したケースも増えています。

美しい街には人が訪れ消費につながる

昔ながらの街並みを条例で守っている埼玉県川越市や千葉県佐原市の場合、観光客も多く訪れ、町の収益にもつながっています。制限をすることで風景が残り、それを見るために人が訪れ買い物などで消費が増えます。企業が少なく経済活動が弱い地域でも、風景や景観が付加価値を生むことを行政や住民が理解するようになってきました。

高級住宅地に学ぶまちづくり

景観のいい住宅街としては、高級住宅地もその一つと言えるでしょう。そこでは美しい景観を保つために、様々な対策が行われています。例えば、一戸の区画が大きい、緑が多い、ビルや店舗の建築が制限されている、道路が整備され歩きやすい、自動車の浸入を制限しているなど。そして最も重要なのは、自治体が街の景観や治安を守るための取り組みをしているということです。

 

高級住宅地は景観や環境は良くても、スーパーやコンビニなどが近くにないこともあり、生活する上で不便を感じる場合もあります。また、周辺のお店では物価が高く、気軽に入りづらいといった点もあるのかも知れません。

現代の住宅地は生活と景観に配慮

昔から大名屋敷などがある街ではなく、計画的に高級住宅地が作られた街には、さまざまな工夫が見られます。代表的なのは東京都の田園調布や成城です。緑地や広場、広い道路と広い歩道など、まるで別荘地のように整備されています。田園調布は富裕層に向けたベッドタウンとして、大正時代に田園都市計画に基づいて整備されました。

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成城は、中高層のマンションを建てない、敷地規模を250平方メートル以上にする、生け垣や樹林を保全する、大きな看板を設置しない、といった街の紳士協定である「成城憲章」があり、街の美しい景観が変わることなく守られているのです。

 

いつまでも美しい街並みが続く高級住宅地ですが、近年の住宅街開発では富裕層から中間層に向けた、景観と生活のしやすさのバランスが取れた街づくりが多いようです。

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大型分譲地に見られる開発動向

最近は、景観と生活の利便性の両立を図った住宅地が多く見られるようになりました。ハウスメーカーなどが手がける〇〇タウンといった大型分譲地は、開発段階から計画的に街づくりが行われ、スーパーやコンビニなども誘致して利便性を高めています。一区画も比較的広く、街路樹も豊かに配置され、景観としても美しい街づくりが見られます。

テーマやコンセプトのある街づくり

こうした計画的な街づくりにおいて、景観はかなり重視され、大小に関わらずおしゃれな街づくりが数多くみられます。例えば、レンガ造りの家と高木が調和する街並み、大きな池を囲むように住宅を配したリゾート風の分譲地など、テーマやコンセプトのある美しい街づくりが最近の特徴です。

 

テーマに基づいて個々の家に統一感を持たせ、全体的に美しい景観がつくられ、まるでヨーロッパの田園都市のような雰囲気を感じさせる街もあり、それが魅力となって売れ行きにも影響するのです。

住民の交流する場も提供

大型分譲地の中にはサークル活動を活発に行い、コミュニティスペースのある分譲地もあります。住民同士のコミュニケーションを高めることが設計段階から計画され、交流しやすいように考えられています。そうすることで地域の人が顔見知りとなり、子育てや介護、さらには防犯にも役立つよう考慮されているのです。


まとめ

美しい分譲地に行ってみると、家も街全体も居心地よく感じることがあります。緑が多く、素敵な家が建ち並んでいます。景観にこだわった美しい街づくりによって、家だけでなく街全体の魅力が高まるからなのでしょう。