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2021/11/14
暮らし

親切な行為が幸福につながる!?~3つの幸福物質

日常の何気ない出来事でも、人は幸せを感じているのではないでしょうか。幸せの感じ方は人それぞれですが、例えば仕事の場合、事故やトラブルなく無事に一日を過ごせたり、家庭では子供の成長や進級、合格、もちろん日々の健康な暮らしに幸せを感じている人も多いかも知れません。自分なりの幸福感というものを普遍的なものとして身につけられれば、健康や経済的にどのような状態になっても、いつでも幸せな気分でいられるように思います。今回は、日々の生活や暮らしを気分よく過ごすためのヒントとして、幸福感について解説していきます。

親切な行為が幸福につながる!?~3つの幸福物質

都道府県幸福度ランキング

ブランド総合研究所が2021年に行ったアンケート調査「第3回地域版SDGs調査2021・都道府県版」では、「都道府県幸福度ランキング」がまとめられています。それによると、上位10位までの地域は次のようになります。

1位 沖縄県(前年2位)

2位 宮崎県(前年1位)

3位 熊本県(前年9位)

4位 山梨県(前年12位)

5位 愛媛県(前年22位)

6位 岡山県(前年38位)

7位 長崎県(前年28位)

8位 北海道(前年30位)

9位 京都府(前年7位)

9位 大分県(前年3位)

 

アンケートは各都道府県の住民に、「あなたは幸せですか?」という設問に答えてもらい、5段階で回答してもらった結果を集計しています。最も幸福度が高いのは沖縄県で、前年も2位という幸福度上位常連県です。ブランド総合研究所は、「幸福度は地域というよりも個人の要素が強く、特に収入面や健康面での家庭の悩みが幸福度につながりやすくなります。気持ちの余裕を持つことができる人が幸福を感じやすいのでは」と答えています。気持ちに余裕を持つことが幸福につながる、ということですが、幸福についてそのメカニズムを解説している専門家もいます。

脳内にある3つの幸福物質がカギ

人が幸福を感じるとき、脳内で何が起こっているのか。これについて精神科医の樺沢紫苑先生は、「脳内では幸福感を引き起こす脳内物質が出ています。それは『幸福物質』というもので、これが増えれば幸福になり、少ないと不幸な気持ちになります。幸福物質は、主にセロトニン、オキシトシン、ドーパミンの3つ」とのこと。

 

セロトニン~やすらぎの幸福感

セニトロンが分泌されると、やすらぎや癒しの幸福感に包まれます。「今日は天気がよくて気持ちがいいな~。よし、今日一日頑張ろう!」と前向きな気分にさせてくれます。

 

オキシトシン〜つながりの幸福感

夫婦や恋人の関係、子供や友人と遊んでいるときなどに分泌される物質です。人とのつながり、愛情、交流などに関連しています。また、他人へ親切にしたときにも分泌されるので、ボランティアなどを行っても得られます。

 

ドーパミン〜やる気の幸福感

ドーパミンは、「幸福物質」や「快楽物質」としてよく紹介されています。ドーパミンは目標を達成したときに分泌される成功の物質で、スポーツで優勝したり、大金を手に入れたり、昇進、昇給するなど、達成感や高揚感に関連しています。

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ドーパミン的幸福には要注意

一般的に幸福感を感じやすいのは、ドーパミン的幸福でしょう。出世したい、お金持ちになりたい、有名になりたいなどの欲望は、すべてドーパミン的幸福です。しかし、この幸福感を得ようとする場合、成果を求めるあまり働き過ぎによって健康を害したり、また平穏な家庭生活への悪影響を招いたりすることもあるようです。樺沢紫苑先生によると、人間が生きていく上で一番重要なのは、セロトニン的幸福とのこと。セロトニン的幸福は、健康を実感する幸福でもあり、これが低下すると不安や悩みが増えてきます。

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他人に親切にすると幸福になる?

米国のJournal of Social Psychology誌に掲載された幸福度の研究結果によると、「親切な活動」を7日間行うと幸福度が高まるという結果が得られたとのこと。これは研究者たちが683人のグループを対象に、「親切な活動」を1週間にわたって実施してもらい、その効果を分析して明らかになったものです。さらに、「親切な行為の回数と幸福度の増加との間には相関関係がある」と報じています。つまり、親切な行為を増やすことで、幸福度はより深まるということになります。そして、親切な行為の内容は限定されず、すべての親切な行為が幸福度を高めるとしています。


まとめ

人が生きていく上で一番重要な幸福物質は、健康を実感するセロトニン。そして、他人への親切な行為によって得られる幸福物質が「オキシトシン〜つながりの幸福感」です。この幸福感や充実感を感じるためには、人に親切にすることが関係するようです。日々の暮らしの中で、まずは身近な人への小さな親切から始めてみてはいかがでしょうか。