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2024/03/06
住まい

建て替えと新築の違いは?
メリットやデメリット、費用相場などを解説!

住み替えを考え始めると、「建て替え」と「新築」という言葉を目にすることがあります。どちらも「新しい家を建築する」ということに変わりはありませんが、その違いがわかりづらいと感じる人も少なくないことでしょう。

今回は、建て替えと新築の違い、それぞれのメリットとデメリットのほか、費用や建て替えを選ぶきっかけなどについて紹介します。

建て替えと新築の違いは?<br />
メリットやデメリット、費用相場などを解説!

■建て替えと新築の違いとは?

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建て替えと新築は、どちらも「新しく家を建てる」という点では違いはありません。ただ、更地に家を建てる新築とは異なり、建て替えの場合は、家を建てる前に、既存の建物の解体・撤去を行う必要があります。ここでは、建て替えと新築について解説していきます。

 

【建て替えとは】

この記事で紹介する「建て替え」とは、既存の建物を取り壊し、一度、更地にした状態にして、新しく家を建てることを指します。つまり、建て替えとは、「既存の建物の解体・撤去」+「更地への新しい家の建築」のことを指します。例えば、これまで長く住んでいた実家が劣化したため、解体して、新しい家を建てるケースがあります。この場合は、「実家を新築する」というより「実家を建て替える」と表現します。

 

<建て替えのメリット>

建て替えのメリットについていくつか紹介します。

 

① 住み慣れた土地で住み続けられる

長く住んでいた家の劣化が進んでいくと、耐震性や気密性・断熱性などの住宅性能に不安を感じ、新しい家での暮らしを望む人も少なくありません。

子どもが成長した際に、親世帯と子世帯家族での同居を考えると、現状の家では不便だと感じる人もいるでしょう。今までの住み慣れた土地から離れて、新しい土地での生活は、特に高齢者にとっては難しく、愛着のある街で住み続けたいと考える人も多いはずです。

建て替えの大きなメリットの一つは、これまで長く住み慣れた土地で、安心・安全、快適にこれからも住み続けられるという点にあります。

 

② 希望する土地で家を建てられる

家を建てようと考えても、希望するエリアでなかなか土地が見つからないと悩む人も少なくありません。人気の高い古い住宅地では、新しい更地が販売されることは少ないものの、中古物件が売りに出されるケースがあります。

土地探しの際には、既存の建物を撤去し、家を建て替えることも視野に入れて探してみると、希望するエリアで土地が見つかる確率が高くなるでしょう

 

③ 新しい家での暮らしがイメージしやすい

これまで長く暮らしてきた家はもちろん、既存の建物がある土地を購入して建て替えをする場合、新しい家での暮らしがイメージしやすくなるメリットがあります。

例えば、「ここは日当たりが一番いいから、リビングをつくろう」といった間取りのアイデアが浮かびやすくなります。このほか、「今の家では風通しが良くなかったから、風の通り道をよく考えよう」「道路からよく見えるから、道路面の開口部分は小さくしよう」など、これまでの生活との対比から不満点などがわかるため、新しい暮らしに生かせます。

 

<建て替えのデメリット>

メリットの多い建て替えですが、一方でデメリットもいくつかあります。

 

① 建築費用のほか、解体費用がかかる

建て替えの場合、既存の建物を解体・撤去する必要があるため、新しい家の建設費用のほかに、解体・撤去に関する費用がかかることになります。

 

②   新築するより工期が長くかかる

更地から家を建設する新築に比べて、解体・撤去の工程が必要となるため、工期が長くかかります。

 

③ 解体した残材や新築の資材の搬出入が制限されることがある

立て込んだ古い住宅地の場合、道路幅が狭く、大型車両が敷地まで入れないこともあります。こうした場合、搬出入に関する手間が増える可能性があるため、費用が割り増しになるケースもあります。

 

<建て替えとリフォームの違い>

建て替えとは、「既存の建物を解体・撤去」+「更地への新しい家の建築」のことで、土台である基礎部分も撤去し、建物のあった土地は、更地にする必要があります。

これに対してリフォームは、基礎部分や構造・躯体部分など、活用できる部分を残して、既存の建物をリニューアルすることです。そのため、大規模なリフォームは「改築」ともいいます。

建て替えとリフォームの違いは、「既存の建物をすべて解体・撤去する」のか「基礎や柱や梁をはじめとした活用できる構造・躯体を残す」のか、といった点に違いがあります。

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【新築とは】

新築とは、更地に新しく家を建設することを指します。家の購入を検討していると、「新築物件」という言葉を目にする機会も多いことでしょう。

「新築物件」とは、『住宅の品質確保の促進等に関する法律』で、「この法律において『新築住宅』とは、新たに建設された住宅で、まだ人の居住の用に供したことのないもの(建設工事の完了の日から起算して1年を経過したものを除く。)をいう」と定められています。

つまり、1年未満の新築の家で、まだ誰も入居したことのない物件は「新築物件」と呼ばれます。同じように「未入居物件」というものもあります。これは、まだ誰も入居したことはないものの、建設されてから1年以上経過した物件を指します。

【参照】住宅の品質確保の促進等に関する法律 | e-Gov法令検索

 

<新築のメリット>

新築のメリットは主に以下の通りです。

 

① 更地に家を建築できる

新築とは、更地の上に新しく家を建設することです。何もないところからの工事のため、ほとんどの場合はスムーズに工事を開始できます。

 

② 住宅地内では、ほぼ同じ時期に入居する可能性がある

新しい住宅地の場合、工事の着工が同時期に始まるため、近隣入居者とほぼ同じタイミングで入居できます。そのため、古くからある街のルールというものがなく、新たなコミュニティの形成がしやすいメリットがあります。

 

<新築のデメリット>

新築のデメリットは主に以下の通りです。

 

① 希望する土地を購入できない可能性がある

土地探しは、なかなか思うように進まないことがほとんどです。人気の高い住宅地の場合、土地が更地で販売されることが少ないため、希望するエリアの土地を購入できないこともよくあります。

 

② 水道やガス・電気などの引き込み工事が必要な場合がある

更地の場合、水道やガス・電気などのライフラインが引き込まれていないことがあります。この場合、新たに引き込み工事が必要となります。土地によっては、すでに引き込みが完了しているところがあるため、土地の購入を検討している場合は、事前に確認するようにしましょう。


■建て替えと新築の費用相場

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国土交通省の調査によると、注文住宅の住宅建築資金(土地購入資金を除く)は、全国平均で建て替えでは4,487 万円、新築では 3,866 万円となっています。建て替えの場合、解体・撤去費用がかかるため、建設費用としては建て替えの方が高くなります。しかし、これには土地代が含まれていません。土地を購入した新築注文住宅の場合、全国平均で5,436 万円で、すでに所有している土地に建て替えた費用より高くなります

【引用】令和4年度市場動向調査報告書|国土交通省


■「建て替え」?それとも「新築」?

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住み替えを検討し始めると、まず、建て替えか新築かで悩む人もいることでしょう。家を建てる際には、土地探しからスタートして家を新築する場合が多いものの、住み慣れた家を建て替えるケースもあります。例えば、家が古くなってくると、耐久性に不安を感じたり、設備の使い勝手の悪さや、これまでは気にならなかった段差などで不便を感じたりすることも増えてきます。また、家族構成の変化で使わない部屋が増えたり、部屋が足りなくなったりすることがあります。

家の住み替えを考える際には、今の暮らしだけでなく、将来どのように暮らしていくのか、ということも考えていくことも大切です。

 

<建て替えを検討するきっかけ>

ここでは建て替えを検討するきっかけを紹介します。

 

① 家の耐久性に不安を感じる

家は、建てた時から経年劣化が始まります。古い家は、建設当時の建築基準で建てられているため、築年数が古いほど、耐久性に不安を感じることもあります。住宅設備も古くなるため、使い勝手が悪くなってくるほか、家とともに住む人も年齢を重ねることで、これまで気にならなかった段差にも不便を感じるようになります。

こうした際に、気密性・断熱性、耐久性などの性能にすぐれた、段差のないフルフラットな平屋に建て替えるのも一つの方法です。

 

② 二世帯住宅を検討

子どもが成長し、結婚や出産をきっかけとして、二世帯住宅を検討する人もいます。子世帯が共働きの場合、小さな子どもの世話を親世帯にお願いしたり、親世帯も旅行などの際に、留守宅の心配をする必要がなくなったりするなど、メリットが多くあります。

また、高齢の両親の介護が必要となり、一緒に暮らしたいと二世帯住宅を考える人もいることでしょう。しかし、既存の家では、キッチンや浴室、トイレなどが一つしかない、のんびりできるスペースが個室しかない、生活時間のズレが気になるなど、二世帯で暮らす際には、お互いに気を遣ってしまうのではないか、と考える人も少なくありません。

既存の家を二世帯住宅に建て替えることで、二世帯がお互いに気を遣うことなく、心地よく暮らすことができます

 

③ 不動産を相続

所有者である親が死去した場合はもちろん、生前贈与による不動産の名義変更など、親から不動産を相続した場合も建て替えを考えるきっかけとなります。

 

④ 住みたい土地で中古住宅を購入

土地探しの際に、希望するエリアで更地の販売がない場合は、中古住宅を購入し、建て替えをするのも一つの方法です。


■建て替えか新築かで迷ったら、住宅展示場へ行こう

家の耐久性に不安があり住み替えを検討している、実家を二世帯住宅に建て替えたい、相続した実家を建て替えたい、希望する土地でどうしても家を建てたいという人は、住宅展示場へ行ってみましょう。

住宅の新築や建替えを希望されている方の多くが住宅展示場を訪れ、数棟のモデルハウスを見学して比較検討しています。住宅展示場をうまく活用すれば、家づくりの悩みも解決できるはずです。

埼玉県総合展示場ナビはこちら→埼玉総合住宅展示場ナビ

住宅展示場の活用法はこちら→住宅展示場の活用法


■まとめ

住み替えを検討する際に、土地を購入して家を新築するか、あるいは、実家の建て替えや中古住宅を購入して家を建て替えるのかで悩む人も少なくありません。しかし、住み慣れた土地を離れたくない、希望する土地に住みたいと考えるなら、建て替えを検討してみるとよいでしょう

建て替えの場合、新築とは異なり、解体・撤去費用が必要となりますが、土地を購入してから新築するより費用を抑えることができます。中古物件を購入して家を建て替える場合は、建て替え費用のほかに中古物件の購入費用も必要となりますが、希望するエリアで暮らせるというメリットがあります。