建物費用は、大きくは本体工事費、別途工事費、諸費用の3つに分類できます。工事費は住宅本体に関わる費用です。消費税も忘れないように注意が必要です。
【住宅購入費用編】
住宅購入にかかる費用はいつ、
どんな費用が必要か
住宅購入にかかる費用は建築費だけではなく、他にも様々な費用がかかってきます。中には建築の契約を結ぶと、工事の着手金や契約金などが必要となる場合もあります。ここでは住宅ローンを利用して家づくりを行う方に、一般的な費用と支払うタイミングについて解説します。
住宅購入にかかる費用
本体工事費
本体工事費は住宅の基礎から構造部、建具、内装、電気・水道など、建物自体の工事で、費用全体の約7割を占めています。建物の種類や広さによって金額は変わります。
建物の種類というのは、主に構造部(工法)の違いです。最も普及している木造軸組工法のほかにツーバイフォー工法、軽量鉄骨造、鉄筋コンクリート造などがあります。性能的には建築基準法に沿っているため問題はなく、どれも高性能化が進んでいます。リフォームがしやすい、設計の柔軟性が高いなど、それぞれの特長を理解しておきましょう。
別途工事費
別途工事費は造成費、地盤調査・改良、下水道引き込み、外構などの工事で、費用全体の約2割になります。最近は市街に住宅を建てる土地が少なく、傾斜地や農地、山地、工場跡地などを造成して家を建てることもあります。こうした土地に家を建てると、下水道やガスの引き込み工事が必要となります。住宅地でも地盤調査によっては造成が必要な場合もあります。
そのほか別途工事としては、エアコン設置工事、カーテン工事、床暖房設置工事、太陽光発電設置工事などがあります。
諸費用
諸費用は税金や登記などの経費で、全体の約1割です。契約や登記にかかる税金や手数料、さらには住宅ローンを利用すると、金融機関の手数料や保証会社への保証料、火災保険料なども必要となってきます。
その他の費用として、引越し費用や完成するまで仮住まいするアパート代なども考慮しておきましょう。本体工事費と別途工事費は住宅ローンに組み入れることができますが、諸費用は直接支払うことが多く、ある程度の現金を準備しておかなければなりません。
支払いスケジュール
ハウスメーカーと契約を交わしてから建築が始まるまでに、着手金(頭金)や契約書の印紙代が必要となります。次に、建築が完成し晴れて住宅の引き渡し(竣工)となれば、登録費用、不動産取得税などがかかります。住宅ローンを利用すると、契約に関わる印紙代、登記費用、火災保険料などもかかってきます。では、各費用を建築スケジュールのどの段階で払っていくのか見て行きましょう。
工事費用は3回の分割払い
まず本体工事費は工事が完了するまで3回に分けて支払うことが多いようです。3回とは契約時(着手金)、中間時(中間金)、引き渡し時(残金)となります。中間金は木造軸組工法の住宅であれば骨組が出来上がった段階が一般的です。
ただし、この時点で住宅ローンは組めません。住宅ローンの適用は建物が完成して登記されていることが原則です。従って、完成した段階で登記を行って施主の所有となって初めて融資が行われることになり、住宅ローンが利用できるということになります。
住宅ローン開始までのつなぎ融資
着手金は住宅ローンが使えないため、自己資金で支払わなければなりません。そのためハウスメーカーによっては着手金を全体の1割程度に設定しているところもあります。中間金は住宅ローンが利用できる金融機関もありますが、基本的には自己資金ということになります。
では、自己資金が用意できない場合、どうやって支払うかというと、銀行からつなぎ融資というものを受けて支払うことになります。つなぎ融資とは、住宅ローン適用前に前倒しで融資を受けられる制度です。住宅が登記されるまでの間をつなぎ融資で補ってくれるというもので、銀行によってはつなぎ融資に対応していない銀行もありますので、事前に調べておきましょう。
住宅ローンに含められるか早めに把握する
全ての費用を住宅ローンに含められることはまれで、諸費用は特に難しいと言えます。自己資金が少ない場合、できれば住宅ローンに含めたいところですが、住宅ローンに含められるかどうかは、その費用が新築工事に含まれていることが条件となります。住宅ローンに含められる費用かどうかについては、まずはハウスメーカーの担当か金融機関に相談してみてください。住宅ローンを組む前に、諸費用を含めて現金がいくら必要か、早めに把握しておくといいでしょう。
まとめ
住宅購入においては、家自体の購入価格だけを見て決めてしまいがちですが、税金や登録などの諸費用から引越し代、さらには将来の修繕費などと予想外の出費に驚かれることがあります。住宅購入に際しては、住宅購入に必要な諸経費もしっかり把握して、月々の支払いや生活費に支障のないように余裕を持った資金計画を立てておきましょう。ハウスメーカーでは、住宅購入費用についてもわかりやすく説明を受けることができるので、気軽に相談してみてください。