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家づくりの基礎知識
家づくりの基礎知識

【計画づくり編】
家づくりの計画とスケジュール
土地探しから完成まで7つのポイント

注文住宅を建てる際のスケジュールは、ハウスメーカーのカタログやパンフレット、住宅展示場見学などで情報収集を始めてから平均して約1年とされています。新居に引っ越しをする日を家づくりの最終日とすると、その一年前から計画をスタートすることになります。子供の入学や入園に合わせて家を建てるという方は、その日から逆算して一年前から情報収集を始める、といった目安になるでしょう。一般的なスケジュールは図のような流れになります。スタート時期からどのような段階を経て完成を迎えるのか参考にしてください。

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住宅建築スケジュール

スケジュールの中で特にポイントとなるところを見て行きましょう。ポイント部分で遅れが出ると、大きく遅延することもありますので注意が必要です。

住宅建築スケジュールの流れ

① 建築確認申請

プランが決まり建築請負契約を結ぶと、建築基準法に適合した設計になっているかをチェックする建築確認申請書を自治体に提出ます。その前に事前審査で提出書類に不備がないかを指定確認検査機関などでチェックしてもらいます。建築確認申請に問題なければ1週間程度で許可が下りますが、問題があると1ヶ月以上もかかることがあります。

② 着工準備・地鎮祭

建築確認申請の許可が下りたら、着工の準備を行います。仮設トイレの設置、確認看板の設置、電気・水道の確保、土地に障害物あれば整地を行います。こうして準備が整えば、工事の無事を祈る「地鎮祭(じちんさい)」を行うこともあります。そのほかに近隣への挨拶も工事の進行をスムーズに進める大切なポイントです。

③ 基礎工事・木工事

工事が始まると、まず建物の土台となる「基礎工事」を行います。基礎工事を行うのは、多くは基礎を専門としている職人さんが行います。鉄筋やコンクリートの打設など、建築現場の技術が詰まった作業風景を見ることができます。

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木工事とは、木材を主原料にした工事のこと。骨組と呼ばれる構造工事や下地工事、造作工事など、重要な工事が行われます。木材を使用した工事はすべて木工事と呼びます。

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④ 屋根工事・外壁工事

屋根工事は屋根材を用いて仕上げる工事で、瓦屋根ふき工事、ストレート屋根ふき工事、金属薄板屋根ふき工事、さらには断熱工事などを行います。瓦については従来の和瓦から平らな形状の平板瓦が普及しつつあります。

 

外壁工事とは、家の外観形成と同時に、冬の冷気や夏の暖気を遮断し、耐震や防火構造で家を守る重要な工事です。住宅の外壁は主にサイディングと呼ばれる板状の建材をよく使います。外壁は省エネ性能とも大きく関わり、住み心地を左右する部分です。壁の中には各社のテクノロジーが組み込まれています。

⑤ 中間現場検査

外壁工事を終えると施工の状況が建築基準法に適合しているか確認する「中間現場検査」があります。中間検査に合格しない限り、それより先の工程に進めません。この検査は自治体によって異なり、どのような中間検査がされるのか、あらかじめ自治体に問い合わせておきましょう。

⑥ 設備工事

システムキッチンやお風呂、トイレ、洗面所といった、水回り設備や空調工事などの設備工事を行い、全て完了すれば竣工となります。

⑦ 竣工検査

竣工とは建物が完成し住める状態になったことを意味します。竣工となれば設計図どおり施工されたかを検査する竣工検査を受け、施主への引き渡しとなります。

スケジュールは工期とそれ以外の2段階で考える

住宅の工事期間(工期)についてはハウスメーカーや工法によって大きく異なることがあります。工期とは、実際の工事だけの期間で、情報収集やプラン作成の期間などは含まれません。一般的な木造軸組工法の住宅をハウスメーカーで建てると、3~4ヶ月の工期で建てられます。設計事務所では文字通り設計に重きを置き、施主と打合せしながら工事が進むことから、5~6ヶ月かかると言われます。

 

全体の期間が平均で1年かかるというのは、工期以上に情報収集や土地探し、プラン作成などに時間をかけているのだと考えられます。特にどこに住むかは子育てやライフスタイルに影響しますので、じっくり検討する方が多いようです。中には土地探しに何年もかけることもあり、住む環境を大切にしている人は少なくありません。


まとめ

家づくりのスケジュールは、工事が始まる前の段階が長くなりがちです。資金づくりから始めると10年くらいかかることもあります。その間に、子供が生まれ、引っ越しや転勤などで生活環境が変わることもあるかもしれません。家づくりは、住宅展示場を見学しながら情報収集などの準備を進め、ハウスメーカーの担当者に相談するのも効率的かも知れません。