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家づくりの基礎知識
家づくりの基礎知識

【家選び編】
家選びで後悔しないために
何を優先して家を選ぶか

住宅を購入する場合、何を優先して選ぶかが重要なポイントとなります。ハウスメーカーの特長やデザイン、性能など、住宅のどこを最も重要と考えるかによって異なります。一生に一度の買い物と言われるほど高額な商品ですから、長い目で見て何を優先するか考え、後悔しない家選びをしましょう。ここでは、住宅購入において重視される家選びの要件について、それぞれの特長をご紹介します。

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建築会社を選ぶ

家を建てる会社は大きく分けると、ハウスメーカーと工務店等です。住宅展示場は多くのハウスメーカーとその住まいに出会える場でもあります。

信頼性や技術力が高いハウスメーカー

ハウスメーカーは大手から中堅までの住宅建築会社で、全国各地に支店を持ち雑誌や新聞広告、テレビコマーシャルなどを打ち、年間2万棟以上も住宅を建てる会社もあります。

 

大手のハウスメーカーは設計から施工まで一貫して行い、自社工場で部材を生産しています。工場で建材や製品を生産することで、工期の短縮や品質の安定化も実現。また研究開発にも力を入れ、十分な時間と費用をかけて高性能な部材や住宅を開発し販売してきました。そういう意味では日本の住宅の品質向上に大きく貢献してきたと言えるでしょう。

地元を知り尽くす地域密着型の工務店

工務店は地域密着型で住宅をつくる建設会社です。少人数で施工のみを行う会社から、ハウスメーカーのように設計から施工まで自社で行う会社もあり規模は様々。地域の気候風土や慣習、文化などにも詳しく、自然素材や高気密・高断熱、独自工法などを取り入れた会社もあります。

建築工法で住宅を選ぶ

建築工法は様々な性能や住み心地、さらには設計にも影響を及ぼします。住宅の代表的な建築工法は、木造軸組工法、ツーバイフォー工法、鉄筋コンクリート造(RC造)、鉄骨造の4つですが、それぞれに各社のオリジナリティが加わり、より品質の高い工法へと改善していることにも注目したいところです。

木造軸組工法

基礎に土台をのせ、その上に柱を垂直に立てて、梁(はり)や桁(けた)など水平に架ける部材を組んで骨組みを造ります。最近は、補強金物で緊結して地震や風の力にも十分耐えられ、構造的な制約が少ないため、設計やデザインの自由度が高く、大きな開口部をとりやすい工法です。在来工法とも呼ばれ、日本では古くから用いられています。

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ツーバイフォー工法(壁式工法)

北米で生まれたツーバイフォー工法は、壁・床・天井の面で支える6面体構造です。主に2×4インチの断面をもつ角材と構造用合板の面材を用いてパネルをつくり、土台の上に、1階床→1階壁→2階床(1階天井)の順で組み立てていきます。この工法は輸入住宅に多く採用されていて、耐火性や気密性・断熱性に優れています。

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木質系工法

構造的には2×4工法と同じ壁式工法の一種で、面材を張ったパネルを現場で組み立て床・壁・天井を構成していきます。工場でつくったパネルを、強力な接着剤と釘・金物で固定して6面体を造るため、地震や台風にも強く、しかも工期の短さが特長となっています。断熱材がたっぷり充填されたパネルは、断熱性・気密性に優れた省エネルギー住宅に多く採用されています。

鉄筋コンクリート(RC)造

コンクリートを型枠に流し込めば、どのような形も造れます。構造上、空間を遮る柱がないので、各部屋の間仕切りは自由にできます。コンクリートには鉄筋を入れて強度を高めていて、鉄とコンクリートの長所を生かした建築工法で、火事や地震に強く、耐久性ある家を建てることができます。RC造は住宅のほか、中層・高層の建築物に用いられています。

鉄骨造

主要構造部に鉄骨を採用するのが鉄骨造です。実際には軸組工法、パネル工法、そして軸組とパネルの併用構造に大別できます。軸組工法は木造軸組工法の木を鉄骨に置き換えたもの。パネル工法は鉄骨の枠材にブレースを入れたパネルを現場で組み立てていきます。併用構造は軸組とパネルの長所を活かしたものです。また、重量鉄骨の柱・梁を剛接合したラーメン工法は、柱と柱の強度を生かした大空間や高さを生かす吹き抜けなど、さまざまな空間を築いてくれます。

住宅の形態で選ぶ

将来の家族構成やご自身のライフプランによって家のカタチは変化していきます。家族が増えた、住みながら収入を得たいなど、多様な時代の暮らしに合った住宅の形態を選べます。

二世帯住宅

二世帯の同居にはそれぞれの生活ゾーンを分けながら、家事や育児を協力して行うなど、プランの工夫が必要です。同居のメリットを十分に得られる二世帯住宅が増えています。

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賃貸併用住宅

家賃収入から住宅ローンを返済できる賃貸併用住宅は、不労収入、節税などメリットがいっぱいですが、アパート経営に強いメーカー選びが必要です。

店舗併用住宅

自宅で店舗営業や、テナントを誘致して賃料収入を得る店舗併用住宅ですが、設計や住宅ローンなど制約も多く、店舗の業種や立地に適したプランを提案してくれるメーカーを選びましょう。


まとめ

最近の住宅は、どこのハウスメーカーでも、高機能・高性能を備えています。家選びをする際は、最終的には3社くらいのハウスメーカーを選定し、見積りやデザイン、プランなどを見比べ、さらに住宅展示場で実際にモデルハウスを見学して検討することをお勧めします。